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ニュース・フラッシュ

鉱種:
パラジウム レアメタル
2010年11月19日 ロンドン フレンチ香織

英:Johnson Matthey、『ロシア在庫放出の減少により、近い将来パラジウム市場が逼迫』と予測

 貴金属製錬・加工大手のJohnson Matthey Plc(本社:ロンドン)は2010年11月16日、2010年のパラジウムの需給及び価格の中間予測を発表した。概要は、以下のとおりである。
 2010年のパラジウム市場は1.4 tの供給過剰と予想。前年に比べて余剰分が急減し、全体として「均衡した市場」と分析された。カナダSudbury製錬所におけるストライキの影響や、各地の減産計画により、北米のパラジウム生産は前年比26%減となったが、ロシアNorilsk社の増産発表を始め、その他の国では微増が見込まれ、2010年の世界パラジウム供給は222.1 tと、横ばいに推移すると予想された。一方、2010年の世界パラジウム需要は、価格の上昇により、宝飾産業が前年比19%減を示したが、経済の回復により、自動車触媒は同27%増、電気製品を中心とする工業需要は同8%増、投資需要は同7%増が見込まれ、純需要(総需要-リサイクル品利用量)は、前年比15%増の220.7 tと推計された。
 2011年も同様、景気回復により自動車及び工業需要の回復が見込まれ、パラジウム市場は「ポジティブな市場」との見通しがなされた。さらには、2007~2008年にスイスに大量輸出されて以来、ロシアのパラジウム在庫は微量と分析されており、「もし2011年にロシアが在庫を放出しなければ、市場は供給不足へと移行するであろう。または、在庫放出があったとしても、近い将来、市場は逼迫するであろう」と述べていた。ただし、プラチナの状況と同様、中国の経済成長速度や先進国政府の債務に対する不安などが高まっていることから、市場の先行きは不透明な状態が続いている。今後6か月のパラジウム価格に関しては、逼迫する市場や、投機筋からの堅調な需要増加が予想されるとして、平均710 US$/ozと予想している。

表.世界プラチナ・パラジウム需給の内訳(出典:JM社、Platinum 2010 Interim Review)
プラチナ(単位:t) パラジウム(単位:t)
  2008
(実績)
2009
(実績)
2010
(予想)
  2008
(実績)
2009
(実績)
2010
(予想)
供給
  南ア
  ロシア
  その他
 
140.4
25.0
19.3
 
144.2
24.4
18.8
 
142.6
25.2
19.1
供給
 南ア
 ロシア
  一次生産
  在庫放出
 北米
 ジンバブエ
 その他
 
75.6
 
84.0
29.9
28.3
4.4
5.3
 
73.7
 
83.2
29.9
23.5
5.65.0
 
77.3
 
84.0
31.4
17.4
6.8
5.1
供給合計 184.8 187.4 186.9 供給合計 227.4 220.9 222.1
総需要
 自動車触媒用
 宝飾用
 投資用
 その他

 リサイクル品
利用量

 
113.7
64.1
17.3
53.5
 
▲56.9
 
68.0
87.4
20.5
35.5
 
▲43.7
 
92.8
75.3
13.5
53.5
 
▲57.2
 
総需要
 自動車触媒用
 宝飾用
 投資用
 その他

 リサイクル品
利用量

 
138.9
30.6
13.1
75.3
 
▲50.2
 
126.0
24.1
19.4
71.5
 
▲44.5
 
160.2
19.6
20.8
77.4
 
▲57.4
純需要合計 191.6 167.7 178.0 純需要合計 207.6 196.6 220.7
在庫バランス ▲6.8 19.8 9.0 在庫バランス 19.8 24.3 1.4
(※トロイオンスをトンに換算。小数第2位の四捨五入により、合計に若干の差異あり)
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