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ニュース・フラッシュ

2010年11月29日 リマ 山内英生

ペルー:Apra党、鉱業ロイヤルティ引上げ及び法的安定契約締結企業に対するロイヤルティ納付法案を提出、鉱業界は同法案に反発

 2010年11月25日付け地元紙等によると、与党Apra党は、鉱業ロイヤルティ率引上げ法案を国会に提出した。
 現行の鉱業ロイヤルティは精鉱売上高の1~3%であるが、法的安定化契約を有する企業はロイヤルティの支払いを免除されている。これに対して、法案では年間売上60百万US$迄に対して2%(現行1%)、60百万~120百万US$に4%(現行2%)、120百万US$以上に6%(現行3%)とすることが提示されている。また、例外的に金のロイヤルティ率は10%、銅は5%とすることが提案されている。
 法案内では、2010年から2011年にかけて主要鉱山各社は軒並み超過利益を得ているとし、2011年の利益は、2009年との比較でSouthern Copper社が160%、Xstrataが139%増加すると言及している。なお、2001年に272 US$/ozだった金価格は、一時1,400 US$/ozを上回るまでに高騰していることにも触れている。
 また、ロイヤルティ引上げの根拠としては、2010年9月に国連開発計画(UNDP)が発表したラテンアメリカ諸国の人材開発に関する報告書の中で、鉱業をはじめ多くの利益を生む企業に対し、税率やロイヤルティ率の引上げによる利益分配状況の改善が勧告されていることを挙げている。また、隣国のチリにおいても、鉱業ロイヤルティが引上げられたほか、オーストラリアやニュージーランドにおいても同様の措置が決定されたことに言及している。
 更に、本法案は、単にロイヤルティ率の上昇だけでなく、Yanacocha、Antamina、Cerro Verde、Xstrata等、法的安定契約を有する鉱山や企業に対するロイヤルティの適用を提案している。これらの企業に対するロイヤルティ適用の根拠には、憲法裁判所が「ロイヤルティは鉱物採掘に対する国への対価であり、税ではない。」とする判決を下したことに言及している。
 また、2005年から2009年にかけての主要鉱山会社の純利益は19,500百万US$に上っており、仮にこの期間に法案で提示されるロイヤルティが適用されていた場合、ロイヤルティ総額は1,462百万US$にのぼっていたが、実際には自発的拠出金により616百万US$のみが支払われたと指摘しているほか、ロイヤルティ率上昇の目的は、鉱業による利益還元の対象となっていない地域に対しても配分し、不公平感をなくすことであるとしている。
 また、2010年11月26日付け地元紙等によると、Apra党議員らによって国会に提出された、鉱業ロイヤルティを現行の2倍とする法案に対し、鉱業界は反発している。
 同法案に対するSNMPE(ペルー鉱業エネルギー石油協会)の公式見解は発表されていないものの、Consorcio Minero Orizonte社の代表取締役は「法案は、短期的視点に基づき鉱業界の競争力を損ねる内容であり、一部議員の無分別による産物だ。」と批判した。

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