閉じる

ニュース・フラッシュ

2011年3月7日 リマ 山内英生

ペルー:政府による違法鉱業採掘船の解体で抗議デモ、死者2名

 2011年2月19~25日付け地元紙等によると、ペルー政府は緊急政令第012-2000号に基づき、Madre de Dios県内流域で違法に操業されている金採掘船19隻の解体作業を開始した。なお、解体作業には陸・海軍計400名のほか、警察官1,200名が参加したほか、環境大臣、防衛大臣及び内務大臣、また作業時における法の遵守を確認するための検事12名が立ち会った。
 緊急政令は2010年2月に発布され、Madre de Dios県における住民の健康や治安の保証、納税の確保を目的に、金の違法採掘を制限・合法化する内容となっており、金採掘船の解体・破壊を認めている。政令発布後、政府は金採掘船の没収を度々行ってきたが、新たな船を建造しての採掘再開が繰り返されたため、今回は軍事力を用いた作戦が展開された。
 一方、採掘船を破壊された採掘主らを中心とする鉱業連盟(Fedemin)は、2011年2月28日から無期限抗議デモ運動を開始し、また、鉱業連盟のSucso代表は、政府による採掘船破壊は「憲法によって保障された権利の蹂躙である」とコメントした。デモ抗議には約2,000人が参加、その後、大陸横断道路115 km地点を占拠していたデモ隊らが、停車中のトラックやバスに対する襲撃を開始したことから警官隊との衝突が勃発、死者2名と多数のけが人が発生する事態に発展した。
 一方、首都リマでは環境大臣、防衛大臣、鉱山次官、Madre de Dios県知事、鉱業連盟代表らが協議を行い、採掘船解体作業を中断すること、また違法鉱業の合法化プラン等に関する具体案について合意に達した。
 なお、Brack環境大臣は、違法金採掘船の操業によって失われたMadre de Dios県内の森林は32,000 haに及ぶとし、採掘船や操業時に排出される水銀は周辺一体の生態系を変え、漁業に打撃を与えていると訴えた。また、同大臣は、鉱業許可地域内では違法鉱業従事者が合法化するための支援を行うとの方針を示した一方で、衝突事件の対応は、道路封鎖や略奪行為の警察による解除や立会い検察官の救助の必要性のためであると正当化し、更に、デモには政治的な意図が働いているとの考えを示し、煽動が行われたことを示唆した。
 一方、Gala鉱山次官は、政府の意図はMadre de Dios県内の鉱業を根絶することではなく、鉱業を合法化することにより、同地域が80百万US$にのぼるカノン税の恩恵を受けられるようにすることだとコメントした。

ページトップへ