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ニュース・フラッシュ

2011年3月14日 ロンドン フレンチ香織

DRCコンゴ:2011年3月10日、同国東部からの鉱物輸送を解禁

 2010年7月21日、Obama大統領の署名により米国金融規制改革法が成立したことが後押しして、反政府武装組織や民兵による生産元が不明な”紛争鉱物(Conflict Minerals)”の密輸を阻止するために、Kabila大統領は2010年9月9日以降、同国北東部(Kivu州北部及び南部、Maniema州)からの金、錫、コルタン等の鉱物の輸送を一時停止するよう命じていたが、各社報道によれば、2011年3月10日にこれを解禁した模様である。
 Kabwelulu鉱業大臣は、「禁輸令によって、鉱物の生産経路を明確にするためにも、公務員が当地に駐屯し、(密輸を行う)民兵に対する警備に成功した」と述べる一方、産業の専門家からは、「反政府武装組織は別ルートで密輸を行い、効力が無かった」との声も出ている。3月10日、同地区での鉱物の採掘や輸送を再開するが、米国、DRCコンゴ地方政府そして援助国の監視が、今後どのように透明性を向上していくのかが重要とされている。
 米国金融規制改革法では、今後、DRCコンゴ及びその隣国産の鉱物資源を使用した製品を製造する企業に対して、鉱物の出所に関する情報の開示を義務付ける予定であるが、先ずは、2011年4月1日より、同地区からの生産管理履歴の証明が無い鉱物の禁輸を命じる計画である。また、これに対応するためにも、電子業界CSRコンプライアンス(EICC及びGeSI)や錫産業団体(ITRI)は、本地域からの全ての原材料に関する入荷経由の証明及び、適正調査をさらに推進している。
 他方、本地域での生産経路を明確に把握することは非常に困難とされている。アジア市場でも大規模なシェアを有し、世界錫生産の第三位であるMalaysia Smelting Corp(MSC)も、生産経路を期日までに確認することは困難と判断し、DRCコンゴとの鉱物取引からの撤退を検討せざるを得ない状況となっている模様。
 Bisie錫鉱山(Kivu州北部)の鉱山労働者2万人を代表する3団体は2011年3月1日、米国規制管理局に請願書を提出し、「生産管理履歴の証明が無い鉱物の禁輸の時期は早すぎる。協議を求めたい」と訴えているが、今後も本地域での失業増加や紛争悪化が懸念されている。

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