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ニュース・フラッシュ

2011年3月24日 モスクワ 大木雅文

カザフスタン:政府、法律に「国有化」の用語を導入

 現地報道によると、カザフスタン共和国政府は、初めて法律に「国有化」の概念を導入し、「他に手段がない場合」に投資家に補償金を支払うことを盛り込んだ改正となっている。
 アイトジャノワ経済発展貿易相は、「国有化とは、他の没収方法や財産所有者との調整方法がすべて尽きた非常事態においてのみ用いられる財産没収のプロセスである」と、可決されたカザフスタン政府会議の終了後に説明した。同相によれば、カザフスタン政府は、「国家安全保障上の脅威」が生じた場合にのみ国有化に訴えることができる。詳細な説明はなかったものの、政府が追って「脅威」を具体化することを示唆した。また同相は「国有化される個々の具体的企業もしくは財産に関しては個別の法案が作成される」と述べ、「国は国有化に関する法令署名後2ヵ月以内に、市場価格での補償支払を保証する」と付言した。
 近年、カザフスタンでの石油ガスプロジェクトの外国オペレーターは、司法、税務、環境当局からのさまざまなクレームに直面し、一方的な契約破棄の脅威にあり、また同時に、カザフスタンは、これらのプロジェクトにおける権益拡大の意向を示していた。(注)
 なお、これまで、カザフスタン政府当局者は、外国の大手石油企業との係争で「国有化」という用語を避け「権益バランスの回復」という表現を好んで用いていたとも報道では指摘している。
(注)
 カザフスタン政府は2009年以降、大規模なカラチャガナク石油ガスコンデンセート鉱床の採掘を行う国際コンソーシアムKarachaganak Petroleum Operating(KPO)と係争中にある。同国政府は、英国BGとイタリアENI(権益は各32.5%)、米国シェブロン(20%)、ロシアのルクオイル(15%)が開発しているこのプロジェクトでの権益獲得を目指している。2011年1月、同国政府はKPOに対し「無許可かつ基準を超えた環境への廃棄物処理」を理由に2千700万$の罰金を科した。2010年には、カザフスタン税関委員会が検査結果に基づきKPOから1億4千万$以上を徴収している。

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