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ニュース・フラッシュ

2011年3月29日 シドニー 原田富雄

豪:連邦政府は鉱物資源利用税(MRRT)の詳細を検討する「政策移行グループ(Policy Transition Group(PTG))」の勧告を全て受入れ

 2012年7月1日に連邦政府が導入を予定している鉱物資源利用税(MRRT)の詳細を検討する政策移行グループ(Policy Transition Group(PTG))が2010年12月21日に発表した報告書に対し、2011年3月24日、スワン副首相兼財務大臣及びファーガソン資源エネルギー大臣は共同メディア・リリースを発表し、鉱物資源利用税(MRRT)に関する98の勧告、及び4つの探鉱促進策をすべて受け入れるとした。 主要点は次のとおり。
1. 連邦政府は、現在及び将来の引上げ分を含めた州政府へ支払うロイヤルティの控除を認めるべきとする勧告、及び連邦・州全ての政府が、豪州の資源税制が国際競争力を維持するよう保障すべきとする勧告を支持する。政府は、MRRTが、豪州国民に豪州資源からの恩恵をもたらすよう、より効率的な方法で執行されるものであるべきであり、州政府がロイヤルティを引き上げることを認めるべきではないとする点についてPTGに同意する。
2. MRRT税収を財源とした60億A$の地域インフラ・ファンドのうち、少なくとも20億A$はWA州及びQLD州の道路、鉄道、港湾等のインフラ投資に充てる。
3. MRRT関連法案作成を助けるための「MRRT実行グループ(implementation group)」の設立勧告を受け入れる。MRRT実行グループは、政府関係者、資源業界、税制専門家で構成され、MRRT法案作成作業が終わるまで政府と資源業界との協議の場を確保する。
 なお、MRRT実行グループは、ポール・マックロー豪財務省企業課税局長(Paul McCullough, General Manager, Business Tax Division)を委員長とし、財務省、資源エネルギー省及び国税庁の職員、資源業界及び資源関連業界、税法関連弁護士及び会計士によって構成される。
 今回の発表に関し主要株主の反応は次のとおり。
1. 豪州鉱業協会(MCA)
 今回の政府の勧告受入れ決定は、2010年7月の政府との合意に沿ったものであるとして、連邦政府の決定を歓迎する旨のメディア・リリースを発表。今後の課題は、勧告内容を法案に反映させることであるとしている。
2. AMEC(Association of Mining and Exploration Companies、ジュニアの団体)Rio Tinto、BHP Billitonに次ぐ鉄鉱石大手Fortescue Metal GroupのForrest社長やジュニア企業を代弁し、MRRTは政府と資源業界との間の確執をもたらしたものであり、新興鉱山の成功を阻害するものとして非難した。
3. WA州バーネット首相
 今回の政府の勧告受入れ内容は違憲であると非難し、ロイヤルティ引上げ凍結の求めには応じない姿勢を示した。また、ファーガソン資源エネルギー大臣が、ロイヤルティ値上げを実施すれば、Perth空港への資金援助を凍結する意向を示したことへも反発している。
 その他、野党自由党は、ロイヤルティを巡り連邦と各州の権力闘争を招いているMRRTへの反対を表明し、また、与党労働党と手を組んでいるグリーン党は資源業界寄りのMRRTへの姿勢と、当初予定していた資源超過利潤税に比べ税収が落ち込むことに対し批判した。

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