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ニュース・フラッシュ

鉱種:
鉄鉱石
2011年4月1日 サンティアゴ 神谷夏実

ブラジル:鉄鉱石輸出制限し、国内鉄鋼加工促進

 現地報道によると、ルセルフ政権は、Valeに対し、鉄鉱石輸出より国内での鉄鋼生産を強化するよう圧力をかけ始めている。ルセルフ大統領は、最近、財務省に対して鉄鉱石輸出への課税強化の試案つくりを指示したとされる。鉄鉱石輸出を制限し、国内での鉄鋼生産を増やしブラジル産鉄鋼製品の輸出を増強したい考えだ。具体的には、Valeに対して、Para州での鉄鋼生産施設建設により加工度の高い鉄鋼生産へのシフトを求めていくとのこと。
 鉄鉱石生産企業に対し、川下の鉄鋼生産分野への投資を促進させるという構想は前ルラ政権時代から始まり、現ルセルフ政権もこれを引き継いでいる。これに対し、ValeのAgneli社長は、資源メジャーとしてブラジル国外への鉱業分野での投資促進を最優先としてValeの経営のかじ取りをしてきており、両者の間の溝が深まっている。ルラ、ルセルフ政権ともブラジル労働党(PT)政権であり、国内への投資、雇用促進を急ぎたいところで、最近のAgneli社長の退陣問題にも発展しているものとみられる。ブラジルでの資源ビジネスは、政治的な動きの影響を受けやすいと言えよう。これに対し、産業界からは、世界的な鉄鋼需要の緩和の予測もあり、鉄鉱石生産企業に鉄鋼生産分野への進出を促す政策に対し、「そのような垂直統合の推進には懸念がある」という疑問の声も上がっている。

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