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ニュース・フラッシュ

鉱種:
ベースメタル 亜鉛 鉄鉱石
2011年4月15日 ロンドン 萩原崇弘

ポルトガル:国際非鉄研究会、銅・鉛・亜鉛の需給予測を発表

 2011年4月13~15日、ポルトガル・リスボンにて国際銅研究会(ICSG)及び国際鉛・亜鉛研究会(ILZSG)が開催され、世界の銅、鉛、亜鉛の需給、最近のトピック等について各国代表、業界団体、コンサルタント等述べ130余名が参加し、議論が行われた。
 同研究会統計委員会及び総会での議論の結果、2011年の、銅の需給見通しについては、地金需要は対前年比4.1%増の2010万t、鉱山生産は対前年比4.6%増の1683万t、製錬での地金生産は対前年比3.5%増の1972万t、需給バランスは37万7千tの供給不足と予想した。
 また、2012年については、銅の地金需要は対前年比4.3%増の2,097万t、鉱山生産は対前年比6.4%増の1790万t、製錬での地金生産は対前年比4.9%増の2069万t、需給バランスは27万9千tの供給不足と予想した。
 これらの背景として、需要面では、世界の銅需要の約4割を占める中国等新興国の需要拡大が大きな要因である。しかし、中国の見掛け消費の伸び率は2009年は対前年比38%であったが、2010年は対前年比4.3%と大幅に鈍化しており、銅価格の高値が続けば在庫放出やスクラップ利用等の可能性もあることから、2011年は対前年比6%前後と予想した。また、供給面については、銅地金の高値水準を背景に、鉱石・地金等の生産拡大の動きが続くことが予想された。
 一方、現在、LMEの銅在庫は増加傾向であるにもかかわらず、銅地金価格は年初に最高値を更新した後も高騰が続いているという異常な事態が続いている。そのため同研究会では、ETFの影響など新たな銅市場の動向要因についても議論が行われた。また、その他、昨今の中東・北アフリカの政情不安、世界各国の貿易や為替に関する政策変更による不確実性に加え、中国が支配するアジア市場における予想不可能な銅の買い占めが不確実性を生み出すこと、これらの要因により銅の供給不足という予想が上下に振れる可能性について指摘があった。
 鉛については、引き続き中国における自動車、電動バイク等向け蓄電池需要など世界各地域での需要拡大が予想されることから、2011年の鉛地金需要は対前年比5.5%増の1,004万t、鉱山生産は対前年比7.8%増の446万t、製錬での地金生産は対前年比6.1%増の1,016万t、需給バランスは12万3千tの供給不足と予想した。
 亜鉛については、中国のインフレ抑制政策の影響はあるものの世界各地域での需要拡大が予想されることから、2011年の亜鉛地金需要は対前年比6.3%増の1,340万t、鉱山生産は対前年比9.1%増の1,344万t、製錬での地金生産は対前年比5.6%増の1,359万t、需給バランスは19万9千tの供給過剰と予想した。
 なお、同研究会では、日本政府から銅、鉛、亜鉛の需給における東日本大震災の影響について説明がなされ、現時点での2011年及び2012年の需給予測にはその影響を盛り込まないことが了承された。
 また、初日に開催された国際非鉄3研究会の合同セミナーでは、国際金属・鉱業評議会(ICMM)が提唱している金属の生産からリサイクル等を含めたサプライチェーンにおける付加価値の最大化、環境配慮、社会的管理責任等を重視する概念である”Minerals Stewardship”がテーマとして取り上げられ、アフリカの紛争鉱物問題、欧州発の環境規制、カーボンフットプリントを始めとした小売業界から生産側への要請など、非常に複雑に絡み合った難しい課題に対して、政府、企業、業界団体がそれぞれの立場・役割からどのように対応していくべきかという議論が行われた。
 次回の国際非鉄研究会は、例年どおりLMEウィーク直前の2011年9月23~30日に開催予定である。

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