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ニュース・フラッシュ

2011年5月13日 サンティアゴ 神谷夏実

チリ:Hydro Aysen水力発電所建設計画に環境承認

 メディア報道によると、チリ第XI州(Aysen州)の環境評価委員会は、2011年5月9日、賛成票11、棄権1の圧倒的多数で、Hidro Aysenプロジェクト(Endesa社51%, Colbun 社49%)を承認した。2008年8月に環境影響調査書が提出されて以来、3年目に結論がでた。承認に当たって、同委員会は以下の4つの承認要件を提示した。①Aysen州の電気料金を引き下げる(最終的に50%まで)。②Aysen州の観光促進のためのマーケティングプランを助成する。③ダム建設に伴う水没地域において水質の測定を行う。④ダム建設により失われた森林を再生する。
 計画ではBaker川、Pascua川に5つ水力発電所建設(総発電量2,750 MW)を総投資額70億US$(内、約30億US$は、約2千キロメートルの送電線建設費用)で実施する。建設期間は約12年間で、2014年末に第1期建設工事開始予定である。Piñera大統領は、「現在の6%の経済成長率を維持するために、今後10年間で国内エネルギー供給量を2倍に引き上げる必要があり、このためにはHidro Aysen発電所建設は必要である」とコメントしている。なお、この決定に対し環境団体は、「将来の電力需要が不透明、自然環境への影響が大きすぎる」として反対を表明している。
 2011年5月13日には、計画に反対する市民約3万人がサンティアゴ中心部で反対運動を行った。また地元Tercera紙の世論調査では、計画に反対する意見が74%に上っている。反対意見は、年齢、社会経済的環境、地域、政治的思想にかかわらず大半を占め、政治的左派では87%と政治的右派の59%を上回り、また、年齢層では18~34歳の反対が81%で55歳以上の72%を上回った。反対意見の大半はダム建設による環境影響が大きすぎ、回答者の83%は計画は環境に影響を与えると考えている。

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