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鉱種:
ベースメタル パラジウム レアメタル
2011年5月16日 ロンドン 北野由佳

英:Johnson Matthey社、白金・パラジウムの需給分析を発表

 英国の貴金属製錬・加工大手Johnson Matthey社(本社:ロンドン)は2011年5月16日、2010年の白金及びパラジウムの需給実績分析と2011年の見通しを発表した。
1) 白金需給
 2010年の白金の需給については、供給は対前年比0.6%増の606万oz、需要(中古品回収を含む)は同16%増の788万oz、需給バランスは2万ozの供給過剰と分析した。供給面を国別にみると、南アの生産量が前年同量の463.5万oz、ロシアが対前年比5%増の82.5万oz、ジンバブエが同21%増の28万ozであった一方、北米の生産量は同19%減の21万ozとなっている。なお、世界の白金供給量は、2008年以降600万oz前後を推移しており、大きな変化は見られない。
  一方、需要面を用途別にみると、世界の自動車産業が経済不況からの立ち直りをみせ、自動車触媒用の需要が対前年比43%増の312.5万ozとなった。特に欧州では、主にディーゼル車の触媒用の需要が対前年比51%増と大幅に上昇した。また工業用の白金需要は対前年比48%増の169万ozとなり、LCDパネルやガラス繊維といったガラス用の白金需要が急激に増加したことが主な要因として挙げられる。一方で、宝飾用白金需要は、中国の需要減により対前年比14%減の241.5万ozとなった。投資用白金需要は依然として強く、対前年比ほぼ横ばいの65万ozであった。中古品からの白金回収は、白金価格の上昇に伴い、自動車触媒及び宝飾品の分野で増加し、全体で対前年比31%増であった。
 2011年の白金需給バランスについては、引き続き均衡状態を保つと予測した。内訳としては、南ア及び北米の生産を中心として、世界全体の供給量は増加基調となる一方、世界的な経済成長に伴い、自動車触媒及び工業用の白金需要も増加すると予想した。また、今後6か月間の白金価格に関しては平均1,870 US$/oz(1,750~2,000 US$/oz)と予想した。

表1.白金需給(2009、2010年)(単位:千OZ)
  2009年 2010年 対前年比
(%)
白金供給 6,025 6,060 0.6
白金総需要 6,795 7,880 16.0
(回収分) 1,405 1,840 31.0
白金純需要 5,390 6,040 12.1
需給バランス 635 20  

2) パラジウム需給
 2010年のパラジウムの需給については、供給は対前年比2.7%増の729万oz、需要は同22.6%増の962.5万oz、需給バランスは前年の68.9万ozの供給過剰から49万ozの供給不足に転じたと分析した。供給面を国別にみると、南ア、ロシア、北米での生産がそれぞれ微増した。需要面を用途別にみると、自動車触媒用の需要が対前年比35%増の545万oz、工業用が同3%増の247万ozであった一方、宝飾用の需要は同20%減の62万ozであった。
自動車触媒用パラジウムの需要増加の主な要因は、北米における自動車産業の回復、中国における自動車産業の成長、白金からの代替需要とのことである。また、投資用の需要は対前年比74%増の108.5万ozに急増しており、この主な要因は米国におけるパラジウムETFの投資流入である。中古品からのパラジウムの回収に関しては、自動車触媒で対前年比38%増、宝飾品で同14%増、電子部品で同11%増となり、全体で29%増となっている。
 2011年のパラジウム需給バランスについては、再び供給不足となると予測した。ロシアの在庫放出量が減少し、他国における増産を相殺して世界全体の供給量は減少に転じる見通しであるとした。一方、自動車触媒及び工業用パラジウムの需要は、新興市場を中心として増加すると予想した。また、今後6か月間のパラジウム価格に関しては平均825 US$/oz(715~975 US$/oz)と予想した。

表2.パラジウム需給(2009、2010年)(単位:千OZ)
  2009年 2010年 対前年比
(%)
パラジウム供給 7,100 7,290 2.7
パラジウム総需要 7,850 9,625 22.6
(回収分) 1,430 1,845 29.0
パラジウム純需要 6,420 7,780 21.2
需給バランス 680 -490  
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