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ニュース・フラッシュ

2011年6月22日 シドニー 原田富雄

豪:ローウィ国際政策研究所、中国投資に関する報告書を発表

 シドニーに拠点を置くローウィ国際政策研究所(Lowy Institute for International Policy)は、「Living with the dragon: why Australia needs a China strategy」と題された報告書を発表し、中国の投資家が、外国投資審査委員会(FIRB)が中国からの投資に懸念を持っていることに不満があることを指摘した。中国の投資家へのインタビューに基づいて作成された報告書では、豪州メディアに導かれたナショナリズム、共産主義への疑念、及び中国の地政学的な影響力により、FIRBが中国からの投資に関し不当な拒絶反応を示していると述べており、2008年に中国アルミ大手ChinalcoによるRio Tintoへの増資が不調に終わった事例に代表される豪州資源分野への投資の失敗が、こうした中国の投資家の否定的な見解に繋がっていると分析している。
 一方で、豪州人も中国による投資の動機が純粋に商業的観点でなく地政学的であると疑っているとしており、FIRBや労働党政権は、中国政府を含む投資家が戦略的ビジネスをコントロールする点に懸念を示しており、代表例として中国企業が2009年にレアアース企業Lynas社を買収しようとした事例を挙げている。
 しかしながら、中国にとって豪州は外国投資先のトップを占めており、多くの投資案件がFRIBによって認可されている事実を踏まえれば、豪州への中国投資家のためには、認可における透明性やアクセスビリティを向上させることが二国間の経済関係をより発展させるので、かような見方は否定されると考えられている。

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