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ニュース・フラッシュ

2011年8月15日 ロンドン 小嶋吉広

ザンビア:鉱山向け電力価格を30%引上げ

 ザンビア国営電力会社ZESCO及びカッパーベルト州の配電会社であるCEC(Copperbelt Energy Corporation)は、鉱山会社への電力価格の30%引き上げを政府電力規制委員会(ERB:Energy Regulation Board)に対し申請していたところ、ERBは2011年8月9日付けでこれを承認した。今回の電力価格引上げは2011年1月に遡及して効力を発する。またERBは、2012年から2015年までの間、発電コストの上昇に合わせ鉱山向け電力価格を漸次引き上げていくことも発表した。
 2006年にERBが電力価格の妥当性につき調査を行った結果、多くのセクターで電力価格が発電コストを下回っていることが判明。これを受けERBは、ZESCOに対し電力価格の見直しを指示し、鉱業セクターを除く他のセクターでは、2008年から2011年までの間、3回の電力価格引上げがなされてきた。しかしながら鉱業セクターについては、2008年後半及び2009年は世界的な景気後退により操業の一時停止を強いられた鉱山が多かったことから、2008年に35%の価格引上げを行ったのみであった。このため鉱業セクターの電力価格が他のセクターと比べ低水準にあり、発電コストを下回っていたことから今回の30%引上げに至った。ザンビアでは電力の99%を水力発電で賄っており、国内電力の半分に相当する1,400 MW/日を鉱業セクターが消費していると言われている。
 ザンビア鉱業会議所は、今回の電力価格引上げにより鉱業セクターの国際競争力が低下する可能性があると懸念を示している。電力の大口需要家の一つであるKonkola銅鉱山(Vedanta Resources社: 79.4%、ZCCM:20.6%)は、将来の生産拡大に向け、今後4年間で10億US$の投資を計画している。また、Luanshya鉱山(中国有色鉱業集団有限公司:85%、ZCCM:15%)では新規露天掘り鉱山開発のため4億US$の投資が予定されており、Chambishi製錬所(中国有色鉱業集団有限公司:60%、雲南銅業:40%)では製錬能力を25万tに拡大するため2.5億US$の投資が予定されているところである。しかしながら今回の電力価格引き上げは、各社の増産計画に影響を及ぼす恐れが出てきた。
 2011年8月9日、ザンビア中央銀行は2011年H1の銅及びコバルトの生産統計を発表。銅の生産量及び輸出量はそれぞれ414,985 t(前年同期比4.0%増)、406,043 t(同4.7%増)となった。またコバルトの生産量及び輸出量はそれぞれ4,353 t(同8.5%増)、4,360 t(同9.0%増)となり、銅、コバルトとも生産が増加している。ザンビア政府の計画では、銅生産を2015年までに150万tレベルへ拡大していく予定であるが、今回の電力価格引上げの決定は、ザンビア政府の今後の銅生産計画に暗い影を落とすこととなった。

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