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ニュース・フラッシュ

鉱種:
ベースメタル
2011年8月16日 モスクワ 大木雅文

ロシア:大西洋海底の世界最大級の金・銅鉱床の権利を主張

 2011年8月5日付け当地報道によると、国連の国際海底機構(ISA)は、大西洋におけるロシアの地質探査実施の申請を認可した。探査対象は世界最大級の未開発鉱床の一つを含み、銅と金の含有量は陸上の平均的な鉱床を5~10倍上回る。プロジェクトは北極海洋地質調査所と全ロシア海洋地質学鉱物資源研究所(VNIIOkeangeologia)が実施し、今後5年間に約4,300万US$を投入する。ロシア政府関係者は、海洋の資源開発にロシアが乗り出したのは中国の動きが急激に活発化したことに起因するとしている。
 ロシア連邦天然資源環境省は8月3日、ロシアが2010年12月に提出した海底の鉱物資源探査申請をISA本部が7月19日に承認したと伝えた。ロシアの申請の他、中国、大洋州のナウル共和国とトンガ王国の申請も認められた。いずれかの国家の排他的経済水域に属さない海洋水域における探査実施をISAが許可したのは、史上初のケースである。
 同省地質・地下資源利用分野国家政策・規制局のダリヤ・ワシレフスカヤ副局長によると、ISAとの契約は2011年末までに調印される予定である。契約期間は15年で5年間の延長権が付いている。ロシアが調査する海域は100のブロックから成り、面積は各100 km2である。この海域は大西洋中央海嶺の亜赤道帯北部に位置する。その水深2~4 ㎞のところに硫化鉱が賦存する。契約の実行機関となるのはサンクトペテルブルクの海洋地学研究所(VNIIOkeangeologia)と北極海洋地質調査所である。
 VNIIOkeangeologiaのセルゲイ・アンドレエフ海洋地質学鉱物資源部長は「ロシアの調査予定海域では6件の有望個所が見つかっている。その予測資源量は5,000万~7,000万tの固結した岩盤で、岩石中の鉱石含有量は陸地より何倍も多い」と述べた。同氏によると、陸上での銅の平均品位は約1%だが、ロシアの調査予定海域にある深海の多金属硫化物では平均2.5~10%(最大30%)となる可能性がある。1 tの鉱石にはまた4~10 g(最大17 g)の金が含まれている。こうした評価が裏付けられれば、その埋蔵量はNorilsk Nickelが有する資産の埋蔵量に匹敵する。
 ロシア政府関係者の話では、「海洋大国は長年に亘りISAに通知することなく海洋で海底調査を行ってきた。しかし2010年5月7日、中国が南西インド洋海嶺海域の調査の正式な申請書を提出した。そこでロシアも申請を早める決定をした。」と述べている。

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