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ニュース・フラッシュ

2011年8月29日 リマ 山内英生

ペルー:国会、先住民事前協議法を承認

 2011年8月24日付け地元各紙によると、ペルー国会は2011年8月23日、先住民事前協議法案を全会一致で可決した。
 本法律は先住民地域内において鉱業や石油等の採掘プロジェクトが計画される場合、先ず政府と先住民社会の間でプロジェクトに関して合意形成を行うべきであると定めている。また、仮に政府と先住民社会が合意に至らない場合は、国は先住民地域の集団的権利を保障し、その生活や安全、発展への打撃を回避する措置を講じなければならないとしている。
 複数の国会議員の説明によると、プロジェクトの実施に関する事前協議において国と先住民側が合意に至らずとも、上述の措置を講ずることによりプロジェクトを実施することは可能だが、当然ながら合意が形成されている場合と比較してプロジェクトの進行には困難が伴うことを意味している。更に、プロジェクトが進行した段階で再度協議を実施し、その時点でも先住民社会の合意が得られない場合、国がプロジェクトを推進するのは難しくなる。
 なお、Eguren議員は、本法律は15日以内に施行されることになっているが、本法律施行によって複数の投資プロジェクトが停止となる可能性があることから、政府は施行前にその内容を十分検討するべきだと意見している。同議員によると、エネルギー鉱業分野において合計54のプロジェクトが本法律の事前協議の対象となる見込みである。更に同議員は、現在既に鉱区を有している場合、次のフェーズである探鉱段階において、また、現時点で探鉱段階にあるプロジェクトは開発に移行する前に事前協議を実施しなければならないと説明した。
 一方、Buenaventura社のBenavides社長は、事前協議による合意形成は国と先住民社会の間で行なわれる以上、企業は関与しないとの考えを示した。
 本法律に関しては、社会争議の防止や解決に寄与するとの意見がある一方で、未だ施行細則が定められておらず、今後の投資に歯止めをかける可能性を有しているとの警告の声が上がっている。

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