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ニュース・フラッシュ

2011年9月19日 北京 土居正典

中国:レアアース日系合弁企業へ苦情

 現地メディアは、「輸出割当を免れるため、日系合弁企業はNd-Fe-B薄片、レアアース磁粉などの輸出拡大で、輸出量を別の形で拡大している」と一部業界関係者から苦情が出されたと報じている。また、政府担当部門に対し、Nd-Fe-B薄片の輸出関税の課税、Nd-Fe-B薄片など製品を輸出割当対象とすることを検討するよう提案したという。
 これに対し、中国稀土工業協会創設準備グループ責任者王彩鳳は「Nd-Fe-B薄片等製品への関税の賦課は検討に値するが、輸出割当対象として管理するかどうかについては慎重に検討する必要がある」と語った。また業界有力者は、「Nd-Fe-B薄片等製品の主な輸出先は日本であり、関税や輸出割当管理の対象となった場合は日中貿易に影響を与えることに加え、現在、中国が世界でレアアース関連の潜在的訴訟リスクに前向きに対応していることから見て、レアアース製品の関税引き上げ及び輸出割当管理の範囲拡大はない」と見ているとも報じられている。
 苦情の理由は、「レアアース磁石合金生産能力増強により輸出が拡大しているが、これら合金製品は輸出割当対象でない上に関税も課されないため、ある種の形を変えたレアアースの輸出になっている」という。商務部及び税関総署は、レアアース合金について、2011年5月20日からレアアース元素総含有量が10%以上の鉄合金をレアアース輸出割当許可管理対象とするという政策を打ち出した。しかしNd-Fe-B類合金輸出は依然制限を受けていない。Nd-Fe-B薄片を例にとると、商務部は同製品を一定の技術水準を持つレアアース高度加工製品とし、関税を免除し、輸出割当管理対象としていない。だが、Nd-Fe-B薄片のレアアース含有量は30%~40%に達するという。一部業界関係者は「日系合弁企業は、Nd-Fe-B類合金に対する優遇政策を利用して、形を変えたレアアース輸出を拡大させており、包鋼稀土や贑州のレアアース企業が原料供給を保証している」と指摘している。
 中国稀土学会専門家は「2011年に入り、この現象が業界で論議を呼び、政府主管部門の注目を集めている」という。一方、「日系合弁会社の輸出行為は、中国政府の規定に見合うものであり、業界関係者の形を変えた輸出という苦情は根拠がない」と主張する向きもある。

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