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ニュース・フラッシュ

2011年9月28日 サンティアゴ 神谷夏実

チリ:サンティアゴを含む中部地域で大停電

 2011年9月24日夜、サンティアゴを含むチリ中央部の第IV州から第VII州の広範囲にわたって電力を供給するSICシステムにおいて、約2時間の大規模な停電が起き、国民の半数以上の1,100万人が影響を受けた。停電中は、サンティアゴ市内でも、携帯電話、固定電話、インターネット回線も一時不通となった。停電の原因は、第VII州のLinaresの近くのAncoa変電所(チリ最大の送電会社Transelec社所有)の故障、バックアップシステムの不備等であるとみられている。電力燃料監督庁(SEC)は、停電の原因について調査を始めており、Alvarezエネルギー大臣は早急に報告を行うと語っている。また、チリ北部に電力供給するSINGシステムとSICシステムが連結されていないこと、南北に細長いチリにおいてグリッドネットワークが組まれていない等の問題も指摘されているものの、一変電所の故障がこれほど大規模な停電につながったことに対する不安も拡大している。
 現在の送電網の問題点として、今回停電を起こしたSICシステムとチリ北部のSINGシステムを接続することが、今後の停電の回避につながるとされている。このため、2011年初頭、IPR-GDF Suez社(フランス)が、両システムを接続するための570 kmの複線送電網建設に関する環境影響評価書(EIA)を政府に提出しており、現在審査中となっている。
 銅鉱山サイトでは、チリ中央部に位置するEl Teninete鉱山、Andina鉱山、Los Bronces鉱山等が一時操業停止状態となったとされており、CODELCOがその影響について発表しているが、銅の供給に対して大きな影響は出ていないとみられる。チリの銅鉱山は、国内電力の3分の1を消費する大口需要家で、鉱業界はチリ政府にグリッドシステムの見直し、電力料金引き下げを要求している。また、銅鉱山の多くがあるチリ北部は、より安全なSINGグリッドから電力供給を受けており、直ちに電力リスクが問題になるわけではないとの見方もされている。しかし、電力供給網の不備が顕在化したため、今後、政府は電力供給体制の早急な見直しを迫られることとなったといえよう。チリの電力供給は、2010年2月の大地震後、干ばつによる水力発電能力の低下、設備更新投資の不足、高い電力コスト等の課題が指摘されきているが、今回これほど大規模な停電が起こったことに衝撃が走っている。

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