閉じる

ニュース・フラッシュ

2011年10月26日 サンティアゴ 縫部保徳

アルゼンチン:石油、天然ガス及び鉱物資源の輸出外貨の国内両替を義務化

 メディア報道によると、アルゼンチン政府は石油、天然ガス及び鉱物資源の輸出外貨を同国内で両替することを義務化した。2010年の鉱物資源及び石油ガス資源の輸出額は、それぞれ40億US$及び36億US$であった。従来、石油・天然ガス、鉱物資源企業はキルチネル前政権時代の政令により輸出外貨を国内に戻す義務を免除されていた。今回の措置は最近国際情勢が悪化し、アルゼンチンの重要な輸出商品である大豆の国際価格がトンあたり100 US$以上下落しているところ、国内では大統領選に伴い外貨需要増が見られ、中央銀行の外貨準備高が減少、更には2011年末に多額の債務支払い義務があることなどが原因と見られている。一方で、目先の外貨ニーズに基づいた今回の措置は、これまでの鉱業投資に対する保障となっていた制度を大幅に覆すものであり、今後の投資に多大な影響を与えることが予想される。
 当該政令は「必要性かつ緊急性に基づく」性格のものであることから、一定期間内の議会承認を必要とするが、議会の審議がない場合には自動的に確定する。現行の鉱業投資法(法律第24196号)では、FS報告書の提出から30年間の税金面での安定を保障しているが、今回の政令はこの法律を無視したものであり、鉱山会社側からの反発も予想される。しかし、今回の措置は、石油・天然ガス及び鉱業を他産業と同じ待遇にするものであり、鉱山会社側の多くが裁判で争っても勝訴の見込みはないと判断している模様で、まずは未発表の同政令の施行細則を見た上で対応策を検討する姿勢をとっている。いずれにせよ、鉱山会社は今回の措置により財務コストの上昇、為替リスクを負うものと予想される。

ページトップへ