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ニュース・フラッシュ

鉱種:
ベースメタル
2012年2月28日 調査部 渡邉美和

中国:硬質合金切削工具、需要を十分には満たさず

 最近の中国の切削工具の生産構造について以下のような報道があった。
 中国製造業が消費する切削工具のうち、硬質合金工具の占める割合は50%以上に達しているが、中国の現在の切削工具の販売高145億元(約23億US$)のうち、硬質合金が占める割合は25%にも満たない。この甚だしい需給のアンバランスは大きな問題をもたらしている。
 大量に生産された高速度鋼工具などは安価での輸出や国内販売をせざるを得ず、同時に大量の硬質合金工具は輸入に依存しなければならないことである。
 切削工具生産構造のアンバランスは、生産される工具が需要に見合っていないことである。例えば、硬質合金の需要は高いにも拘わらず、生産はそれに応えられず、逆に高速度鋼工具は生産過剰を引き起こしている。先進諸国では既に硬質合金刃物が切削工具に占める割合は70%に達し、これが主導的なものとなっていて、高速度鋼工具は毎年そのシェアを1~2%ずつ減少させている。またダイヤモンドや立方晶窒化ホウ素などの超硬工具の割合も3%前後ある。
 中国では、現在、高速度鋼材の生産量は8万t/年前後で、世界の総生産量の40%前後を占めている。これにより大量のタングステンやモリブデンなどのレアメタルが消費されている。盲目的な生産拡大と顧客の要求に対応しない品質から、これらで生産された高速度鋼工具は大きく過剰に振れていて、低価格で販売され、多くの工具メーカーの利益も圧縮させている。
 一方、硬質合金の生産は1.6万t/年で、これも世界に占める割合は40%に達している。だが、これらの硬質合金のうち、付加価値の高い最高品質の切削工具に用いられるのは僅かに3千tで、全体の20%に過ぎない。別の観点から見ると、硬質合金に用いられるレアメタル資源も十分な利用がされているとは言えないのである。

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