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ニュース・フラッシュ

2012年3月19日 調査部 渡邉美和

中国:レアアース専用移動伝票制度試行、専売制へのステップか

 中国現地メディアは「レアアース専用移動伝票制度試行、専売制へのステップか」として、次のように報道した。塩とタバコについての国家専売制移行検討に続き、中国と欧米日の間で焦点となっているレアアースについても、国家による専売制への移行が検討されている。専売制への移行に際して重要な手段となるのがレアアース専用の移動伝票制度であり、2012年6月には、レアアースの主産地である内蒙古と四川省で試行が始まる可能性がある。
 これまで、税務総局では、レアアース専用移動伝票の一部運用の効果に関する調査の結果がまとめられている。一方で、3月13日には欧米日によるWTOに対する提訴の動きが報じられている。中国の外交部と商務部は、提訴されたならそれに対抗すると表明している。国際競争力の増強のためにはレアアースを国家専売制とすることが最有力と見られている。
 レアアース専用移動伝票制度は試行の初期段階にあるとはいえ、国家専売制度体系に関してはまだ論議がある。業界内では専売制度に川下産業の再編が含まれるなら新たな混乱を引き起こすと憂慮している。
 「現在の希土産業は内憂外患の状態であり、欧米の騒動と同様に中国の輸出政策も影響を受けている」と2012年3月15日にある関係者は語っており、外部の圧力が中国国内の希土産業再編の加速に与える刺激の可能性を示し、2012年には、レアアース専売体系の検討が開始されるであろうと語っている。
 2011年Q4から既に中国国内の大型企業はレアアース専用移動伝票の発行を始めた。その目的は、伝票を伴わない希土流通に打撃を与え、価格の安定を狙ったものだ。しかし、管理部門がこの伝票システムを単に価格管理にとどめず、専売体系管理に用いることは容易である。このあたりの事情に詳しい関係者から得た情報によると、この伝票システムの背景は依然として「先ずもって産業再編」の大原則があるとのことで、希土産業再編の完成した地域で伝票制度を先行試行し、その後に全国展開するとのことである。

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