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ニュース・フラッシュ

2012年3月27日 サンティアゴ 神谷夏実

ブラジル:州政府の鉱業税導入状況

 ブラジル連邦政府は、新鉱業政策の一環として鉱業ロイヤルティの引き上げを検討しているが、Para州、Minas Gerais州、Amapa州等一部の州政府も、2012年4月から独自の鉱業税の導入を検討しており、産業界側は警戒感を強めている。地元メディアの推定では、こうした州政府の増税で、企業負担が毎年15億レアル(約8.8億US$)増加する可能性がある。州別では、Para州が8~9億レアル、Minas Gerais州が5~6億レアル、Amapa州は1.2百万レアルとなる。
 これに対して鉱業界は、こうした州独自の鉱業税の導入は憲法違反の可能性があり、法廷闘争に持ち込む構えを見せている。Para州では、価格が安いカオリンやボーキサイトの採掘で採算性が取れなくなる懸念があるという。
 こうした州鉱業税導入の動きについて、ブラジル鉱業界側は強い反対の姿勢を見せているが、企業あるい鉱業協会等が直接州政府と交渉することは、環境ライセンス取得、税制優遇等において報復される可能性もある。そこで、今後は、ブラジル全国工業連盟(CNI、ブラジル最大の工業関係企業の業界団体で、会員数は10万社以上、日本における経団連に相当)が代表して、法廷において州政府と論争を展開する見通しとなっている。こうした状況から、州政府側も法廷論争の準備に入っている。
 一方Para州政府は、すでに合憲性を確かめていること、税収は地域社会に還元し、鉱業界との良好な関係を築くために使われると説明している。Para州からの鉱物資源の輸出額は約300億レアルで、この2.3%に当たる約7億レアルを徴収する予定であるが、カオリン等価格の安いものは低めの税額が適用されるという。また、こうした鉱業税の引き上げは、カナダや豪州がモデルになっていることもほのめかしている。過去にはBahia州が鉱業税を導入しようとして、法廷論争で負けたことがある。

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