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ニュース・フラッシュ

2012年3月31日 モスクワ 大木雅文

ロシア:Rusal、国際価格引き上げを狙い、アルミ減産の可能性大

 2012年3月15日現地報道によると、世界の生産量の約10%にあたる410万t/年の生産をほこるアルミ世界最大手Rusalが苦境を迎えている。
 ヴィクトル・ヴェクセリベルク会長が辞任し、Rusalの債務は約110億US$にのぼり、株価は下がりつつある。アルミ価格も2011年5月比で20%下落している。このような状況から「Rusalは今後数ヵ月のうちに5%減産する可能性がある」とFrost&Sullivanのアナリスト、モニカ・ノヴォトニク氏は語っている。
 Rusalは、ロシア国内のアルミ需要をほぼ完全にカバーしている。このため、連邦独占禁止庁は同社に対し、国内ではLME の直近30日間平均価格でのアルミ販売を義務付けている。だが、海外市場で競争力を維持するためには、Rusalは平均市場価格で販売しなければならない。要するに、Rusalがとることのできる唯一の手段は供給量の縮小ということになる。
 世界最大手アルミメーカーとして、Rusalは国際市場のアルミ供給量に影響を与えることはできる。しかし、これはにはリスクが伴う。ライバル各社が生産量では僅差でRusalを追っているからである(2010年生産実績はChalco 380万t、RT Alcan 380万t、Alcoa 360万t)。つまり、Rusalが生産量を減らしても他のメーカーが増産すれば、アルミの国際価格に変動を与えることはできない。一方、他のライバル企業もアルミ価格を下げたくはないため、生産量を増やすことはほぼあり得ない、との見方もある。
 Rusalの5%減産は、供給量の390万tへの減少を意味する。これは極めて高い数字である。だが、こうした減産は操業費(電気代、保管料その他ロジスティクス関連支出)の一時的削減のみを意味し、抜本的な経営たて直しに結びつくものではない。

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