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ニュース・フラッシュ

鉱種:
ベースメタル
2012年4月23日 リマ 山内英生

ペルー:Minas Conga金プロジェクトEIA外部評価が完了

 2012年4月18日~19日付け地元各紙によると、Minas Conga金プロジェクトの環境影響評価(EIA)の水資源の項目に対する外部評価を行っていた国際専門家らは、4月17日に最終報告書を政府へ提出した。
 同プロジェクトでは、4つの湖が開発の対象とされており、そのうち最大のPerol湖及びMala湖は湖水を抜いた跡地がそのままオープンピットとされ、金及び銅が採掘される計画となっている。また、Azul湖はズリ堆積場に、Chica湖は廃さい堆積場に利用するという計画が水資源の枯渇や汚染をもたらすとして、地元の自治体や農業・牧畜業者からの強い反発を招いている。
 専門家による最終報告書では、これらの湖はいずれも重要な水の供給源ではなく、また、2,000 haの湿地帯の内、プロジェクトによって影響を受けるのは90 ha程度であることが示されている一方で、Azul湖及びChica湖の埋め立てを避けるため、別の場所にズリや廃さい堆積場を建設する可能性を検討することが提言されている。その他、報告書では貯水池の拡張の検討、酸性水処理におけるパッシブトリートメントの適用、表土の保存方法の改善等が提案されている。
 Pulgar-Vidal環境大臣は、政府が報告書を基に同プロジェクトに対する新条件を提示することを明らかにし、Yanacocha社がこの新条件を受け入れるか否かで、プロジェクトの実施或いは中止が決まるとの考えを示した。報告書に基づくプロジェクトの見直しは、同社にとってコスト面での再評価を意味するが、Yanacocha社は地元紙に対して、外部評価に関しては、現在、その内容を確認中であると伝えている。
 Valdes首相は、今回の外部評価の結果は、今後Cajamarca県民によって検討され、同地において公聴会等も実施される予定であるとして、その上でHumala大統領が政府としての最終的な決定を発表するとコメントした。
 鉱業石油エネルギー協会(SNMPE)のMartinez会長は、EIA外部評価報告書は、国際専門家らの高い専門性を反映した内容であると評価し、湖等の表層水や地下水の双方について、興味深く重要な分析が行われているとコメントした。その一方で、協会としては、プロジェクトが今後も継続して実施されることが望ましいとの考えを示し、その理由として、プロジェクトは単なる投資ではなく、雇用を創出し、納税額の増加、地域社会や住民への恩恵を意味しているからだと説明した。また、同プロジェクトの継続は、将来的な投資の促進につながるとの考えを示した。
 なお、Pulgar-Vidal環境大臣は、Cajamarca県知事に対して本報告書を政治的な観点でなく、技術的・専門的な観点から検討するよう呼びかけると共に、同知事に対して対話のテーブルに着くよう直接要請したことを明らかにした。これに対して、人権団体等の支援を受けているCajamarca県の農民コミュニティの一部は、同プロジェクトの推進を一方的に決定しようとしているとして、ペルー政府を米州人権裁判所に訴える準備を進める考えを明らかにしている。また、同県のCelendin郡、Cajamarca郡、Bambamarca郡では水資源の保護を訴える抗議デモが計画されている。

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