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ニュース・フラッシュ

鉱種:
マンガン レアメタル
2013年3月5日 その他 渡邉美和

中国:寧夏天元マンガン業公司の成長と動向

 現地報道は、最近の中国のマンガン動向について、寧夏天元マンガン業公司の成長を中心に、以下のように報じた。

 マンガンは重要な戦略資源で、その90%は鉄鋼業で用いられ、金属マンガンの中国の世界に占める生産シェアは98.4%である。

 中国のマンガン企業は世界市場でも優勢で、南アの1企業のみが中国と相対しているにすぎない。その中国を代表する企業である寧夏天元マンガン業公司は、かつて西部大開発に伴って設立され、その後10年以上を経て発展を続け、既にマンガン生産量は年産20万tに達し、世界トップの生産者である。中国マンガン業技術委員会首席専門家の譚柱中が「寧夏天元マンガン業公司は世界のマンガン業の中で重要な一極」と評するまでになっているのである。

 中国はもともとマンガン鉱石の乏しい国であり、鉱石も広西・湖南・貴州のいわゆるマンガンデルタに集中する。寧夏に位置する天元マンガン業公司も創業時はこの一帯から原料を長距離輸送せざるを得ず、競争力は大きく損なわれていた。世界的にみるとマンガン鉱石は南ア・豪州・ウクライナなどが豊富であり、天元マンガン業公司は「走出去」(海外展開)に注目し、目を海外の鉱石に向けたのである。だが、中国の鉱石は炭酸マンガン鉱であり、これは硫酸反応で処理が容易であったが、国外の鉱石の多くは二酸化マンガン鉱であり、より複雑な工程が必要とされた。同時に、鉱石中の鉄分が国内鉱石に比べ3~5倍含まれ、鉄を除く技術もボトルネックとなっていた。

 このため、産学研と共同しての技術開発が進められ、自主技術としての還元焙焼技術を開発することで、鉄を取り除くコストを、それまでの120元から6元まで低下させることが出来た。また、1 tの金属マンガンを取り出すには、中国内鉱石では7~8 tが必要であるが、輸入鉱石では3 tに押さえられることで劣勢を優勢に転じることができた。海外からの高品位鉱石を使いこなすことで天元マンガン業は重要な一極と成り、天元マンガン業は知財権を持つような技術開発を推進することで、年産1,500 tの能力を逐次、8万t、20万tと拡張させ、今年稼働する予定の新電解工場建設の新増能力も60万tに達している。

 2013年、天元マンガン業の年産能力は金属マンガン80万tに達する。これは世界の3分の1を占める。鉄鋼産業の第12次五カ年計画によれば、中国の粗鋼需要は8億tには届かずピークに達する見込みで、生産能力のひたすら増加は鉄鋼産業の趨勢ではない。天元マンガン業にとっても規模の拡大は逆風ともなりかねない。「将来何年かで現在100以上ある電解マンガン生産加工企業も厳しい削減に出会うことだろう。少なくとも10以上の企業が閉鎖や吸収に追い込まれる」と譚柱中は見なしている。

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