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ニュース・フラッシュ

2013年6月19日 サンティアゴ 神谷夏実

ブラジル:大統領府、新鉱業法案を国会に提出

 メディア報道によると、大統領府は、2013年7月18日に新鉱業法案を国会に提出した。この法案は、緊急審議(Regime de Urgencia)によるものとなっており、下院及び上院でそれぞれ45日間の審議後採決されるスキームとなっている。しかし、内容が多岐にわたり利害関係も複雑なことから、このような短期間で審議が尽くせるかが疑問視されている。また、Rousseff政権は、公共料金の値上げ反対に端を発した国民の反政府デモの対応に追われており、鉱業法改正の国会審議が迅速に進むかにつき、予断を許さない状況にある。

 鉱業法改正法案は、以下の7項目を中心に構成されている。

1. 鉱業審議会(Conselho Nacional de Pesquisa Mineral:CNPM)の設置。
鉱業政策や入札の基本方針(Diretrizes)の決定を行うが、現時点でその構成については公表されていない。

2. 鉱業監督庁(Agencia Nacional de Mineracao:ANM)の設置。
鉱物資源局(DNPM)に代わり、鉱山動力大臣の直属機関として鉱業権管理、鉱業監督、入札の実施、鉱業ロイヤルティ(CFEM)の徴収、管理を行う。

3. 戦略的鉱区に対する入札
政府が戦略的に重要とみなした鉱区は、入札により、40年間にわたる探鉱及び開発権が付与される。現行制度では、探査許可(Alvara de pesquisa)と採掘許可(Portario de Lavra)の二段階に分かれていたが、戦略的鉱区ではこれが一本化される。このメカニズムは、石油・ガス資源開発の入札に類似したものである。入札は、新制度で新設される鉱業監督庁(ANM:Agencia Nacional de Mineracao)が実施する。当初許可期間は40年であるが、その後20年単位で延長可能。

4. 関心の意思表明のための公示(Chamada publica para manifestacao de interesse)
戦略的鉱区以外の場所における探鉱権及び開発権について、鉱業監督庁(ANM)は申請があった場合、その者以外に関心を持つものがいるかどうか確認をするため公示を行う。その結果、他に関心を持つ者がいる場合、入札が行われる。

5. 入札不要の鉱物資源
建設用骨材(砂、砕石)、鑑賞用鉱物資源、ミネラルウォーターは入札は行わず、許可書(Termo de Adesao)が交付される。許可期間10年で更新可能。

6. 鉱業ロイヤルティ(CFEM)の引上げ
税率を0.5~4%とし、各税率は別途大統領令(Decreto)により決定する。従来はネット売り上げ(Faturamento Liquido、またはNet Sales)が対象であったが、新制度では売り上げ(Faturamento Bruto 、またはGross Sales)が対象となる。これまで、課税対象は売り上げから鉄道輸送費、海上輸送費等のコストを控除したネット売り上げが対象となっていたが、改正後は、売り上げが課税対象となる。現行の税率は、金が1%、鉄鉱石が2%であるが、改正後は売り上げに対し税率は4%となるとみられる。

7. 既存探鉱権
既存の探鉱権は、新鉱業法発布後60日以内に実質的な探鉱を行わない場合、権利は失効し連邦に帰属する。本措置は、休眠鉱区の探鉱促進を目的としている。

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