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ニュース・フラッシュ

2013年10月28日 メキシコ 縄田俊之

メキシコ:鉱業税制改革により鉱業投資と雇用に深刻な打撃

 2013年10月21日付け業界紙等によると、メキシコ鉱業関係団体は、鉱業に関する税制改革による増税が鉱業部門への投資と雇用を60%減少させる旨を明らかにした。

 この背景として、メキシコの税制改革の一環として、本年9月初旬に政府が提案した鉱業に関する税制改革案に関して、最終的に連邦税法の鉱業部門諸税条項(鉱区税条項等)の改正及び新条項(鉱業特別税条項(EBITDAに対する7.5%課税)及び貴金属(金、銀及びプラチナのみを対象)特別税条項(EBITDAに対する0.5%課税))の創設による鉱業税制改革案を下院に提出した。その後、本年10月18日にメキシコ議会下院にて同改革案を承認、現在同議会上院にて審議中である経緯を有する。

 メキシコ鉱業会議所(CAMIMEX)のHumberto Gutiérrez-Olvera Zubizarreta会頭は、本年10月16~19日にGuerrero州Acapulco市で開催された第30回国際鉱業大会において、本税制改革による増税は昨今の金属市況価格の下落傾向と相まって、国内外からの鉱業部門に対する投資を劇的に減少させるとともに、鉱業関連企業、特に中小企業の撤退や鉱業プロジェクトの閉鎖を加速させる旨発言した。また、同会頭は、鉱業に必要な政策は、増税よりも鉱業発展の促進、小規模鉱業の強化及びメキシコの将来における発展の鍵となる部門の整理統合である旨述べた。

 メキシコ鉱山・冶金・地質技師協会(AIMMGM)のJosé Martinez Gómez会長は、同国際大会において、増税は負担しがたい更なるコストアップに繋がり、現在活動中の鉱山の即時閉鎖という結果となる旨発言した。また、同会長は、メキシコ議会下院で承認された税制改革案が上院でも承認されることとなれば、雇用喪失に繋がる旨述べた。

 政府は、本税制改革による鉱業部門からの税収を、連邦政府40%、鉱業関係州30%及び鉱業関係郡30%の割合で配分し、鉱山立地地域の発展のために還元する方針である。

 なお、下院同様、上院においても、本改革案に反対しているのは労働党(PT)等の左派小政党と国民行動党(PAN)であるため、本改革案が上院で承認される見通しである。

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