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ニュース・フラッシュ

2013年10月28日 ロンドン 小嶋吉広

グリーンランド:ウラン等の放射性物質の採掘承認を議会が決議

 2013年10月25日付けメディア報道によれば、グリーンランド議会はウラン等放射性物質の採掘を承認する決定を下した。グリーンランドでの放射性物質の採掘については、旧宗主国デンマークが掲げる「例外無き禁止」方針を踏襲する形でこれまで禁止されてきた。2009年の自治権拡大により政治的独立性は確保されたものの、未だ自治政府の歳入の半分はデンマークからの補助金に頼るなど、グリーンランドでは経済面での自立が喫緊の課題とされてきた。放射性物質の採掘可否をめぐっては、ここ数年世論を二分する論争が展開されたが、10月24日に行われた議会での投票の結果、15対14の僅差で採掘の承認が決議された。放射性物質にはウランの他、レアアースも含まれる。今回の決議を受けHammond自治政府首相は、「失業率増大や物価上昇によりグリーンランド経済は閉塞しつつあり、ウラン採掘に係る『例外無き禁止』方針を見直す時が来た」と談話を発表している。

 グリーンランドは自治領ではあるものの、国防や軍事等国政の重要事項についてはデンマーク政府が最終的に決定する権限を未だ有している。今回の決議を受け、デンマーク政府の貿易・EU関係省は「ウランの採掘、輸出は国防や安全保障に関わりうる問題であるため、(デンマーク政府として)重大な関心を有している」とコメントしており、今後デンマーク政府の承認に当たっては難航も予想される。

 議会では併せて、London Mining社のIsua鉄鉱石プロジェクトに関し採掘ライセンスの発行が承認された。同社の2013年10月24日付けプレスリリースによれば、採掘ライセンスの有効期間は30年、ロイヤルティ率は開発資金返済の金利負担軽減を考慮した段階構造となっており、最初5年間が1%、6~10年が3%、11~15年が4%、16年目以降は5%となっている。

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