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ニュース・フラッシュ

2013年11月1日 モスクワ 木原栄治

ロシア:ヤクーチアのレアアース鉱床開発

 2013年10月30日付け地元報道によると、ICTグループは、Tomtorレアアース鉱床(ヤクーチア)の競売に、国営企業Rostec社との共同参加を予定している。

 ICTグループのアレクサンドル・ネシス社長は「技術と良い鉱床が得られれば、すぐにこの分野で競争力を持てるようになる」と述べている。プロジェクト投資額は今後5~6年間で約10億US$(300億ルーブル)の見込みである。

 ロシアで中国産レアアース販売を手がけるTDM96社のアレクサンドル・トポルコフ社長は「Tomtor鉱床の資源は非常に魅力的で、ソ連時代も地質調査が行われていた。中国は、同鉱床を中国の資金により開発する企業を探しできたが、ライセンス関連で多大な労力がかかるため、結局見つけることができなかった。外国企業がこのような鉱床ライセンスを取得することは非現実的である。レアアースは戦略的に重要な商品であり、ロシアは長年に亘り、この市場への参入を誰にも許さなかった。」と語っている。

 ICTグループとRostec社は新規鉱床の共同開発にとどまらず、ロシア初のレアアース産業創設も目指している。両社は2018年までの5年間に、さらに10億US$をレアアース生産に投資することで合意しており、トリウムを含む精鉱からレアアースを生産する合弁企業TriArkMining社を既に設立している。ICTグループは同合弁企業の株式50%プラス1株を保有している。

 ロシアは、世界のレアアース埋蔵量の20%以上を有するにもかかわらず、その採掘、特に生産面で大きな問題を抱えている。ロシアのレアアース原料採掘量は世界の採掘量の約2%に過ぎず、しかも採掘企業はソリカムスク・マグネシウム工場1社のみである。採掘された原料はエストニアで加工され、そこから最終製品として世界市場に出荷されている。

 トポルコフ氏は、「ロシアにはレアアースの抽出や分離を行う企業がない。鉱石中には大量のレアアースが存在しており、分離する必要がある。顧客はランタン70%、セリウム20%、その他10%などという混合物は求めていない。産業(航空、石油ガス等)で必要とされるのは最終製品、すなわち即利用可能な分離された金属である。ソリカムスク・マグネシウム工場には施設も能力もあるが、これまでレアアース生産への投資には無関心だった。」と述べている。また、同氏は「Tomtor鉱床は、気候条件も過酷だが、最大の問題は道路であり、航空輸送になると原価が大幅にアップしてしまう。」と述べている。

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