閉じる

ニュース・フラッシュ

2013年11月11日 メキシコ 縄田俊之

メキシコ:鉱業に関する税制改革が鉱業界へ与える影響を分析

 2013年11月4日付け業界紙等によると、鉱業界に対し多大な影響を与える鉱業に関する税制改革案が、保守党である野党第1党国民行動党(PAN)の反対にもかかわらず本年10月末に可決し、Peña Nieto大統領による公布手続きを残し、新たな鉱業税制の2014年1月施行に向けた難関は全てクリアしたと報じた。

 本状況に対し業界関係者は、本税制改革は国家の税収増加を目指したものであるが、鉱業界にとっては金属市況価格の低迷で喘ぐ中、鉱業投資を干上がらせるとの警告を発した。

 また、メキシコ鉱業会議所(CAMIMEX)が、所得税30%、鉱業コンセッション税(料金)、労働者分配金10%、鉱業特別税7.5%、貴金属鉱業特別税0.5%の加算により、本税制改正によって鉱業企業が課せられる税率を試算したところ約57%となった。

 なお、本税制改革が鉱業界へ与える影響を以下に示す。

◆ 鉱業特別税(EBITDAに対する7.5%課税)
所得税制度の下、投資、金利及びインフレ率を考慮した控除がなされるが、本年5月にメキシコ議会下院で承認された税率5%より高い税率が設定されたため、今後メキシコでの鉱業投資が行われなくなる旨が警告されている。

◆ 貴金属鉱業特別税(貴金属(金、銀及びプラチナ)の生産に関して、鉱業特別税の他にEBITDAに対し0.5%課税)
世界最大の銀生産国であるとともに、金生産量世界第11位に位置するメキシコの地位を脅かすこととなる。

◆ 地域の持続可能な発展のための基金
鉱山が所在する郡(自治体)及び州における地域経済の振興発展を目的とした基金であり、新たな鉱業税による税収を郡(自治体)及び州に分配する制度であるが、鉱業企業がこれまで地域コミュニティに対し拠出してきた資金を、新たな鉱業税によって増加する納税分に充てるため、これらの資金がカットされる恐れがある。

◆ 探鉱投資に関する税控除が対象外
所得税法の改正により、探鉱投資に関する税控除が対象外となるため、金属市況価格の低迷下において、利用可能な資金が不足しているジュニア鉱業企業は鉱業活動が困難に陥る。

◆ 鉱業活動を停止している事業に対する手数料
従前は、鉱業活動を停止している事業に関し、11年以内の間は割り増し手数料は50%であったが、本税制改革により、10年以上は100%、2年以上はヘクタール当たりの手数料を割り増すこととなったため、特にジュニア鉱業企業にとっては重大な影響を及ぼす。

◆ その他一般税制改正による影響
国境地域等における付加価値税(IVA)の優遇措置(現行税率11%)を廃止し16%に統一となったため、国境付近のSonora州、Chihuahua州、Coahuila州及びSinaloa州における鉱業活動は多大な影響を被る。

ページトップへ