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ニュース・フラッシュ

鉱種:
レアアース/希土類 スカンジウム
2014年3月24日 モスクワ 木原栄治

ロシア:カザフスタンと合弁によりスカンジウム酸化物生産へ

 2014 年3 月5 日付け地元報道によると、Uranium One Holding N.V.(Rosatom傘下、略称U1H)及びIntermix Metは、カザフスタンの国営原子力会社Kazatomprom社と共同で、カザフスタンのウラン採掘企業におけるスカンジウム精鉱生産と、その後の処理を行う。

 当初はスカンジウム精鉱をIntermix Metの湿式製錬プラント(スタヴロポリ地方レールモントフ市)で処理し、、第二段階として新規施設を立ち上げる(3 年以内に着工予定)。投資見積額は6,000万US$であり、2016 年の生産開始を予定している。目標年産量はスカンジウム酸化物6 tである。

 U1Hによると、合弁企業の出資比率はQ2 中に確定する見込みであり、同社は支配権を持たない予定である。協定に従い、まずロシア側合弁(Intermix Metが支配株式、U1Hが議決阻止可能株式を所有)が設立され、同合弁がKazatompromとの対等出資による合弁を設立する見込みである。

 U1Hのワジム・ジヴォフ社長は、「ウランの国際価格が不安定な中、カザフスタンにおけるプロジェクトを実施すれば、当社の事業多角化と限界収益率向上が可能となる。」と述べている。Intermix Metの評価によるスカンジウムの世界供給量は15 ~20 tとされ、新規合弁企業が市場の約3 分の1 を占める可能性がある。U1Hによると、スカンジウムの最大供給国は中国、ロシア、カザフスタン、ウクライナ、ノルウェー、マダガスカルである。スカンジウム酸化物(純度99.5%)の価格は2011 年に5,000US$/kgに達したが、現在は3,600 US$/kgレベルである。U1Hでは、2019 年以降3,000 US$/kgの水準を維持すると予測しているが、価格が下落を続けてもIntermix Metの技術によって生産の収益性を維持できるとしている。プロジェクトの収益性目標は明らかにされていない。

 関係者は、製品の大半は長期契約により販売されると推測している。Kazatompromには複数の日本の需要家との協定があり、Intermix Met社はRoscosmos及びRostecの傘下企業にスカンジウムを供給している。また、Intermix Met共同経営者・会長のセルゲイ・マホフ氏によると、日系企業は以前から同社のスカンジウムを購入していると述べている。

 Rosatomは、ウラン価格低迷により国内外の多数のウラン・プロジェクトを2013年末に一時停止している。Atompromresursyグループのアンドレイ・チェルカセンコ社長は、「2008 年経済危機、2011 年福島第一原発事故に伴う日本の原発稼働停止により、ウラン価格は底値にあり、これを引き上げられるのは日本の原発再稼働であろう。」と述べている。

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