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ニュース・フラッシュ

2014年6月2日 メキシコ 縄田俊之

メキシコ:共有地利用に関する紛争が急増

 2014 年5 月23 日付け業界紙等によると、最近数か月間において鉱業企業とエヒード又は土地所有者との間で鉱山及び鉱業プロジェクトの共有地利用に関する紛争が急増している。

 これら紛争は、初期の探鉱段階のプロジェクトから操業中の鉱山に至るまであらゆる鉱業活動に対し脅威となり、現在から将来にわたる鉱業生産に対し重大な影響を与える。

 共有地問題に関する具体的な事例として、メキシコ最大の金生産企業である加Goldcorp社(本社:バンクーバー)の場合、Guerreo州に保有するLos Filos金鉱山においてエヒードとの間における共有地賃貸借契約の更新に関する交渉が不調に終わり、本年5 月までの1 か月間の操業停止を強いられた。また、Zacatecas州に保有するPeñasquito多金属鉱山においては、エヒードとの間で共有地賃貸借契約に関し現在も法廷協議中である。

 次に、メキシコ最大の銀生産企業であるPeñoles社の場合、同社の貴金属子会社であるFresnillo社がSonora州に保有するDiplos金鉱山に関し、近隣の住民により共有地賃貸契約に関する訴訟を起こされた結果、農地問題担当高等裁判所が同社に対し共有地の返却を命じるとともに、同社の火薬使用許可(同鉱山のほか、Soledad金鉱山、La Herradura鉱山及びNoche Buena金鉱山を含む。)の一時停止にまで発展した。

 また、加MAG Silver社(本社:バンクーバー)の場合、Chihuahua州に保有するCinco de Mayo多金属プロジェクトに関し、2012 年11 月に農地法に基づく総会での地表権売却を不可とする議決が下されたが、当該議決が不正により無効とされたにもかかわらず、エヒードは同議決を支持し、現在もなお同社とエヒードとの間で共有地賃貸借に関する交渉が継続中となっている。

 最近の共有地に関する紛争は、地域コミュニティが全ての規模の鉱業プロジェクトに対して法的手段やその他の手段を用いて抗議活動を展開し、共有地の賃貸借料や売却価格等を利益配分として最大限要求する傾向になっている。

 なお、エヒードと鉱業企業側の弁護士との交渉により、鉱業企業がエヒードに対し高額な賃貸借料等利益配分することで操業活動を維持している鉱業企業がある一方、重大な生産停止や地域コミュニティに対する過度な支払い等に発展する鉱業企業が増加している。これは地域コミュニティ等に対し新たな鉱業ロイヤルティを配分することによって、これら共有地問題の解決に繋がる可能性があるとも考えられる。

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