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ニュース・フラッシュ

2014年6月26日 バンクーバー 山路法宏

加:連邦最高裁判所、BC州Tsilhqot’in First Nationの先住権原を認める歴史的判決

2014 年6 月26 日、BC州南部Williams Lake 周辺4,381 km2の土地に対するTsilhqot’in First Nationの先住権原が争われていた裁判で、連邦最高裁判所は、一部請求外の土地も含めた約1,750 km2の土地に対する先住権原を認め、連邦政府との条約(Treaty)の締結により土地の所有権が放棄・譲渡されない限り、その土地は先祖代々受け継がれた先住民が所有するとする判決が下された。 BC州の大部分やケベック州の4 割の土地などでは、依然として連邦政府と先住民との間の条約がなく先住権原が消滅していないことから、地下鉱物の権利の帰属に関して疑義が生じる可能性などの問題が指摘されてきた。本判決を受け、判決当日にBC州北西部に居住するTahltan First Nationが、BC州政府や彼らの居住区域内でArctos無煙炭プロジェクトを実施しているFortune Minerals社に対して、先住権原を請求する意向を表明するなど、早くもその影響が出ており、今後他の地域における先住権原の議論にも大きな影響を及ぼすものと思われる。 政府は、先住権原が与えられた土地において鉱業や林業などの経済開発を促進することも引き続き可能であるが、そのためには先住民の同意を取り付けるか、または先住権原を侵害する目的が先住民の立場及び公共目的の両面から考慮された十分かつ説得力のあるものであって、先住民に対する国の信認義務と調和的であることを求めている。従い、先住民の合意がなければ、当該地域において鉱業をはじめとした様々な経済活動を行うことは実質的に困難となった。 なお、Tsilhqot’in First Nationが先住権原を請求していた土地には、Taseko Mines社のNew Prosperity金・銅開発プロジェクトも含まれていたが、最高裁判所が先住権原を認めた土地からは外れたことから、同社は現在BC州において先住権原が存在しない土地であることが明確である唯一の開発プロジェクトだと主張している。

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