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ニュース・フラッシュ

2014年7月18日 北京 森永正裕

中国:国家備蓄局、酸化モリブデン生産能力過剰解消に初の買上げ備蓄実施へ

 安泰科によれば、7 月17 日、中国国家備蓄局は国内の主要モリブデン生産企業の責任者を集めた会議を開き、酸化モリブデンの買上げ備蓄について協議した。実施されれば、中国国家備蓄局による初の酸化モリブデン買上げとなる。

 情報によると、今回会議に参加したのは、洛陽モリブデン業(China Molybdenum Co. Ltd.)、錦州新華龍(Jinzhou New China Dragon Moly Co., Ltd.)、金堆城モリブデン株式(Jinduicheng Molybdenum Co., Ltd.)、栾川龍宇モリブデン業(Luanchuan Longyu Molybdenum Industry Co., Ltd.)など。金モリブデン株式の関係者の話によると、今回の買上げ備蓄は4 ヶ月ごとに分けて実施する可能性がある。

 モリブデン業界の資源探査専門家によると、中国国家備蓄局は1995 年にフェロモリブデンの買上げ備蓄を実施したことがあるが、酸化モリブデンの買上げ備蓄は実施したことがない。酸化モリブデンはフェロモリブデンの生産原料になる。今回の買上げ備蓄は総計2,000 tと予想される。

 モリブデンは工業界で不可欠なレアメタルとして、中国国内では主に鉄鋼業界で利用されている。2013 年の中国モリブデン精鉱の生産量は11.1万tで世界総生産量の42%を占めるが、国内の年間消費量は約7万tに過ぎず、生産能力過剰問題が深刻化している。

 業界関係者によると、2012 年以降、不動産バブル崩壊の影響を受け、鋼材需要が減少、輸出も影響を受け鉄鋼メーカーの多くが高価格のフェロモリブデン購入を停止、価格競争が激化した結果、モリブデン業界の整理統合が進み、一部の中小企業は既に生産停止、倒産に追い込まれている。現在では、業界再編により生産量上位2 社である金堆城と洛陽モリブデンの合計生産能力は既に総生産能力の40%を占めるに至っている。

 今回の買上げ備蓄の目標値が2,000 tであるのに対し、国内の年間フェロモリブデン生産能力は約8万t~9万t、“焼け石に水”の状況であり、市場全体への影響はほとんど生じないとの予想。

 現在、国内のモリブデン市場は割当制度により制限され、企業の年間生産および輸出は国が規定した割当量に基づき実施しなければならないが、過去1 年間は生産、輸出量が割当量に満たない企業が多かった。一方、今年に入ってからはこの状況が改善され、各企業の生産、輸出量は割当量にほぼ達している。

 現在、中国国内で生産されるモリブデンのうち輸出は僅か10%。今年初めより業界内では輸出割当制度の廃止について議論が始まっているが、この政策について依然として決着がついていない。

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