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ニュース・フラッシュ

2014年9月23日 北京 森永正裕

中国: 来るモリブデンの世界供給増加に備え、資源備蓄制度の必要性が高まる

 中国有色金属報によれば、2014年9月4日、CODELCOは2023年までに、以前から予定しているモリブデン生産量5.8万tに加え更に2.5万tを追加し、予定生産量を43%引き上げることを発表した。今回のモリブデン生産の引き上げは、既に生産能力過剰となっているモリブデン産業にとって、まるで「災難の上に災難が重なる」という状況となり、中国国内でモリブデン精鉱の備蓄制度を一刻も速く創設しなければならない。

 中国はモリブデン資源が世界的にも豊かな国で、その埋蔵量は430万t、世界埋蔵量の44%を占めている。また中国はモリブデン生産国でもある。これまで長期にわたり、中国はモリブデン製品の純輸出国であったが、2005年より、中国政府はモリブデン委託加工貿易に対する特恵政策を取り消したため、2006年以降、中国のモリブデン精鉱の輸入及び焼結モリブデン精鉱、フェロモリブデンの輸出量は大幅に減少した。2007年には、中国政府はモリブデン製品の輸出割当政策を実施し、モリブデン一次原料など一次製品の輸出規制を行ったため、輸出量も一段と減少した。2008年~2014年、中国のモリブデン金属の輸出枠全体は減少傾向にあり、2009年~2011年の輸出割当量は2.55万t、2012年~2014年は2.5万tとなっている。

 政府のモリブデン産業に対する規制政策が効果を見せ、国内のモリブデン生産量も急速に増加し、過去3年間の中国のモリブデン精鉱の年間生産量は10万tを維持し、2013年の年間生産量は11.1万tを上った。だが、近年、中国のモリブデン精鉱の消費量は7万tに留まっている。

 レアアース、タングステン、モリブデンの輸出に関連するWTO提訴で中国が敗訴したことに伴い、中国政府は、長年実施していたレアアース、タングステン、モリブデンの輸出関税や輸出規制など措置を取り消すことになった。それにより、中国で過剰となっているモリブデンが大量に海外へ輸出されるが、チリのモリブデン生産量の増加及び中国のモリブデン資源の流出によって、世界モリブデンの供給過剰問題は深刻化することが予想される。

 モリブデンは非常に重要な戦略的金属として、製錬機械、電気・国防、宇宙飛行・航空等の分野に幅広く利用されているため、モリブデン資源に対する戦略的備蓄を速めに実施し、鉱山採掘、業界統合、環境保護、輸出管理等分野で生産規制を行い、モリブデン精鉱の備蓄制度をできるだけ速く創設するべきである。

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