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ニュース・フラッシュ

2015年1月23日 北京 森永正裕

中国:レアアースの輸出関税撤廃により価格変動予想付かず

 現地報道によれば、商務部は、レアアース輸出関税を2015年5月2日までに撤廃すると公表し、ヨーロッパ市場の関係者は驚いている。今後のレアアース価格の変動に対しより多くの不確定要因が加わることとなった。

 多くの取引業者は、ユーザー企業が調達を延期し、関税を廃止した5月2日以降、更に価格が下落するとどうなるか考えている。

 取引業者によると、現在ヨーロッパ企業は市場価格に対し大きな反応をみせることはなく、数多くのユーザー企業はこの情報を消化することができ、且つ在庫も多く残っている。また、いくつかの売り手企業は低価格で在庫を処理し続けているため、価格低下のプレッシャーは一層大きくなっている。

 商務部は、関税に替わる方法について公表していないが、国内レアアース等資源類製品に対し管理制度の改革を行い、中国側はWTO規則に一致する方法で資源類製品への保護を強化し、資源と環境の保護を促進し、平等な競争を維持し、持続可能な成長を実現する。

 政府は、価格を基に課税する資源税徴収方法(従価課税)を実施する可能性がある。情報によると、中国北部の軽希土の資源税を22 %に設定し、中国南部のイオン吸着型重希土類の資源税を35 %に設定するという噂がある。

 シンガポールにある取引業者は、資源税に関する情報は中国春節明けに公表するかもしれないという。一部の取引業者は、資源税率を22~35 %に設定する可能性があり、レアアース価格は一層高くなる見込みだという。

 また、一部市場関係者によると、中国国内の生産企業は輸出税還付申請ができるかもしれず、世界的な競争優位を確保できると考えている。

 しかし、レアアースの密輸問題は深刻化し、定期的にヨーロッパへ輸送する不法レアアースも多く見られ、これも価格低下の理由になる。中国政府は、一連の違法レアアース行為に対する取締り活動に力を入れているが、違法レアアースはなくすことはできていない。

 ある取引業者は、資源税の引き上げが度を超えると、違法レアアースの問題は次々と現れるだろうと述べている。

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