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ニュース・フラッシュ

2015年3月23日 メキシコ 縄田俊之

メキシコ:メキシコ鉱業に対する治安リスク高まる

 2015年3月17日付け業界紙等によると、2015年に入って以降、Guerrero州で鉱山労働者を含む誘拐・殺人事件や鉱山労働者等に対する脅迫事件が頻発していることから、メキシコ鉱業に対する治安リスクが高まっている。

 この背景として、本年2月初旬に加Torex Gold Resources社(本社:トロント)が同州に保有する現在開発中のEl Limon-Guajes金プロジェクト及びMedia Lunaプロジェクトを含むMorelos金鉱山地域近隣にて、同社鉱山労働者(同社従業員1名及び下請け企業従業員3名)を含む12名が地元マフィアに誘拐された事件が発生したほか、本年3月初旬に加Goldcorp社(本社:バンクーバー)が同州に保有するLos Filos金鉱山において鉱山労働者4名が誘拐され、うち1名は解放されたものの3名が殺害される事件が発生した。また、Nyrstar社が同州に保有するCampo Morado多金属鉱山において、昨年11月13日以後労働組合に加盟していない労働者が鉱山入口を違法封鎖したため、断続的に操業を停止させられていたが、本年2月に下請け企業や労働組合加盟の鉱山労働者に対する脅迫にも及んだことから、従業員の安全等を考慮し操業を現在も一時停止状態である等治安問題が頻発している経緯を有する。

 業界関係者によると、治安リスクが高まっているのはGuerrero州だけではなく、Chihuahua州、Michoacan州、Morelos州、Tamaulipas州及びZacatecas州でも犯罪組織によるリスクに直面しており、鉱業企業を対象とした貨物(鉱物等)の強盗、盗難や恐喝、鉱山労働者の誘拐等生命に危険が及ぶ脅威が発生している。特にGuerrero州では、2014年に43名の大学生が誘拐され殺害される事件が発生し、Enrique Peña Nieto大統領も麻薬マフィアに対する取締強化等治安対策に関し早急に解決すべき政治的課題として取り組んでいるが、外国投資家にとっては見過ごせない状況である。

 鉱業企業においては、治安対策のための費用を増額させたり、州政府当局と連携を図り従業員の安全対策に乗り出す等それぞれ対策を進めている。

 一方、Guerrero州の一部鉱業企業においては、州政府当局との連携により従業員の安全が図られるようになってきており、同州における今後の治安リスクは減少する方向にあるとの楽観的見解を示す企業もあるが、治安対策費の増大等懸念材料が必ずしも払拭されるわけではないとの見通しも示されている。

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