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ニュース・フラッシュ

鉱種:
ベースメタル
2015年5月18日

ぺルー:Tia Maria銅プロジェクト、60日間の停止へ

 2015年5月16日付け地元各紙によると、Humala大統領は、2015年5月15日に全国向けのテレビ放送でTia Maria銅プロジェクト(Arequipa州)反対デモに関する演説を行った。この中で大統領は、政府がプロジェクトを中止することはできないとの立場を示した一方、Southern Copper社に対しては地域社会との相互理解を樹立するよう呼びかけた。さらに、政府による一方的なプロジェクト中止の決定は、憲法や法律の規定に背くことであり、その結果法的安定性が失われ、将来のプロジェクトや投資等に重大な経済的影響を及ぼす否定的な前例を残すことになると説明した。

 そして、Tia Maria銅プロジェクトは今や単なる1件の鉱業プロジェクトではなく、全国的な問題であるとし、Southern Copper社に対してはArequipa州内の社会秩序の回復のため、同社の意図を示すと共に具体的対策を講じるよう呼びかけた。

 また、Arequipa州内では激化した抗議行動によって市民生活が制限され、公的・私的財産が破壊されたとし、犯罪や殺人等の行為に対する法的責任の追及が行われるよう関係省庁への要請を行った。

 大統領演説のおよそ1時間後、Southern Copper社のGonzales社長は声明を発表し、同社はプロジェクト地域とArequipa州内における暴力行為に無関心な立場でいることは出来ないとし、どのような政治・企業活動も、命や平和より優先されることはないとして、全ての関係者に対し和平を呼びかけた。さらに大統領の要請に応じ、プロジェクトに関する懸念事項の提示、解決策の特定、今後の道筋についての合意、責任の明確化等を行うのに妥当な期間のプロジェクトの停止を提案するとしたほか、プロジェクトに関する社会的合意達成のため、政府に対しては今後60日間の猶予と協力を要請した。

 60日間のプロジェクトの停止提案を受け、Cateriano首相は、Southern Copper社の要請を受けて一時停止されるTia Maria銅プロジェクトに関し、今後60日間に技術的な議論を実施することを明らかにした。また警察と住民の衝突による死者発生に遺憾の意を表明し、プロジェクトを力ずくで強行することはできないとした一方、ペルーは法治国家としての立場を貫く方針を示した。また、Ortizエネルギー鉱山大臣は、Arequipa州におけるデモ抗議の中止を呼びかけつつ、たとえ抗議が継続したとしても対話再開を模索していく方針を明らかにした。なお、合意達成には60日以上が必要となる可能性を示した。

 業界団体であるペルー鉱業石油エネルギー協会は、大統領演説とSouthern Copper社の決定を前向きなものとして評価する声明を発表した。

 一方のTia Mariaプロジェクト反対派を代表するTierray Dignidad党のArana党首は、60日間でSouthern Copper社が住民の賛同を得ることは不可能であるとの考えを示した。

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