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ニュース・フラッシュ

鉱種:
ベースメタル
2015年8月7日 リマ 迫田昌敏

エクアドル:Loma Larga(旧Quimsacocha)金・銀プロジェクト、開発是非をめぐる住民投票へ

 2015年7月27~29日付け地元報道によると、エクアドル政府によって指定された五大戦略的鉱業プロジェクトの一つであるLoma Larga金・銀プロジェクト(Azuay県)は、その開発の是非を、住民投票で決することになるかもしれない。同プロジェクトをめぐっては、これまで、地域住民が、水源・環境破壊になるとして強く抗議し、環境NGO・自然保護団体を巻き込み、開発側と摩擦を繰り返してきた。しかし、エクアドルでは、NGOの政治活動は禁止されており、鉱業開発の反対運動に関与することができなくなっている。このため、住民側として、憲法と鉱業法に認められた地元住民による投票により開発を中止させる策に出たものと考えられる。

 住民投票は、まず、選挙管理委員会から住民投票実施の承認を取り、署名活動を行って50 %の有効署名を集めた後、住民に求める質問内容を憲法裁判所に承認してもらう手順を踏む。現時点では、開発反対住民側は、まだ、選挙管理委員会の承認を得るための賛同者を得る段階であるが、認められた場合、「水源であるQuimsacocha高原での鉱物採掘活動に賛同しますか?」という内容の質問で憲法裁判所の承認を取り付ける計画である。一方、開発賛成側も同じ段階にあり、認められた場合、「以前Quimsacochaと呼ばれたLoma Largaプロジェクトの影響下にある地域において、責任ある探査活動の結果得られた鉱業ロイヤルティの60 %を得ることに賛成しますか?」の質問を準備している(中規模鉱業(後述)では、ロイヤルティの60 %が地元に還元され、地域の社会プロジェクトに投資されることになっている)。

 同プロジェクトは、2000年にIamgold社(本社:カナダ)が権益を取得した後、2003年以降、40百万US$を投じた探鉱により、金の埋蔵量330万oz(約103 t)を確認し、2007年からプレFSを実施したが、2011年9月、地元Azuay県知事が水資源確保の観点から環境ライセンスとプレFSの見直しを要求、さらに同年10月には同県農民組織同盟が開発の是非を問う住民投票を実施したところ、98.3 %が反対票を投じる結果となった。2012年11月、同社が47 %の株式を保有するINV Metals社(本社:カナダ)に権益が譲渡され、INV Metals社は、坑内掘、1日当たり粗鉱処理量1,000 t、年産金量8万oz(約2.5 t)、当初のマインライフ13.25年のプレFSを取りまとめた。このプレFSによれば、NI 43-101に基づくLoma Larga鉱床の概測資源量は、Au 2.04百万oz(約64 t)、粗鉱量10.17百万t、平均品位Au 6.24 g/t、Ag 35.2 g/t、Cu 0.36 %とされている。1日当たり粗鉱処理量を1,000 tにしたのは、エクアドル鉱業法における規模カテゴリを中規模鉱業(坑内掘で301~1,000 t/日)とするためと見られている。中規模カテゴリの場合、生産契約に関する政府との合意は必要とされず、超過利益税も適用されないことになっている。

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