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ニュース・フラッシュ

2016年6月3日 リマ 迫田昌敏

ペルー:政府高官がインフォーマル鉱業合法化の現状と課題を語る

2016年5月25日付け地元紙によると、Sierra鉱業合法化担当官は、同紙に対し、インフォーマル鉱業合法化プロセスの現状や課題について以下の見解を示した。

同担当官によると、ペルー全国に約20万人のインフォーマル鉱業従事者が存在し、このうち現在までに合法化プロセスを完了したのは約千名となっている。また、3万人の業者が合法化プロセスへの登録を行ったものの、本プロセスは煩雑なことから、合法化を完了するのは3~4千名となる見方を示した。さらに、合法化プロセスの弱点は、プロセスの実施が、エネルギー鉱山省主導ではなく、州政府に委ねられていたことだと指摘、州政府エネルギー鉱山局長とのコミュニケーションや連携が不足していたことに触れた。

また、合法化プロセスの鍵となる州政府エネルギー鉱山局長に対する研修活動に力を入れるべきだったと指摘、合法化プロセスは2012年に開始されたにもかかわらず、2014年の時点で違法鉱業とインフォーマル鉱業の違い(筆者注:2012年3月15日公布最高政令006-2012-EMにおいて、「違法鉱業」とは鉱業活動が禁止されている地域において、行政・技術・社会・環境等に関する規則・手続きを履行せずに行われる鉱業活動、「インフォーマル鉱業」とは鉱業活動が認可されている地域において、必要な法的手続きを踏まずに鉱業が行われている状態)を知らない局長がいたことを明らかにした。

また、合法化プロセス最大の問題点として、合法化を希望する業者は活動地域におけるEIAを実施し、これに伴う必要プロセスや環境基準を満たすことが義務付けられていることに触れ、複雑かつ高コストであるEIA実施は業者たちを遠ざける要因になっていると指摘、協同組合や協会等を通じた費用の共同負担が行われるべきだとの考えを示した。

さらに、現在ペルーで生産される72,000tの金(筆者注:現在のペルーの年産金量は150t前後なので同担当官あるいは記者の誤りか)のうち20~30%が違法鉱業に由来することに触れ、違法鉱業の割合は大きく、業者は多額の資金を動かしているだけでなく、違法な金を取り扱う市場が存在していると指摘、2014年に正規の市場では金1gの価格は150ソーレスだった一方、闇市場では120ソーレスだったこと、また現在は70~90ソーレス(約650~840US$/oz、現時点のレートで換算、以下同じ)であることを明らかにした。

一方、政府の治安部隊による介入について、2014年に251百万ソーレス(約75百万US$)、2015年に120百万ソーレス(約36百万US$)、2016年は現在までに74百万ソーレス(約22百万US$)相当の違法鉱業重機を破壊したことに触れ、取締りはより継続的に行われるべきだったとの考えを示しつつ、あくまでも合法化プロセスによる事態改善を優先していたため、定期的な取締りが実施されていたとコメントした。さらに違法鉱業は高い利益を上げることから、取締りの終了後にすぐ復活すると指摘した。さらに、国営Activos Mineros社がインフォーマル業者から金の購入を正規の価格で買い取る権利を入札で取得したものの、価格設定が明確でなく、業者からの信頼を確立できなかったと説明した。

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