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ニュース・フラッシュ

2016年6月16日 シドニー 山下宜範

豪:野党・労働党、政権交代が実現すれば、環境認可の権限を連邦の独立機関に移管

2016年6月15日付け地元紙は、2016年7月2日に行われる連邦議会の選挙により、野党・労働党が政権を獲得すれば、同党は、大規模事業の環境認可の権限を、新たに設立する連邦レベルの独立機関に移管する考えであると報じている。

現在の与党・保守連合(自由党と国民党の連合)は環境認可の権限を州政府に一本化する取り組みを進めてきた(同政策は「One-Stop Shop」と称される。ただし、まだ実現していない)。しかし、労働党のMark Butler「影の内閣」環境大臣が地元メディアに述べたところによれば、労働党は、政権を獲得すれば、最初の100日の間に連邦レベルの独立機関である「国家環境保護機構」の設立について調査する予定である。また、新たな環境法制度を環境活動家から鉱山や農業関係者に至る関係者と共に検討する。現在の与党は「One-Stop Shop」を進めているが、同大臣によれば、8つの州・準州で異なる判断が行われていることからこれは「Eight-Stop Shop」であり、環境認可の権限を連邦に戻すと共に、環境認可などの環境法施行の権限を連邦環境大臣から前述の独立機関に移管させるとしている。

これに対し、翌16日付けの地元紙は、今回の労働党の提案に対する関係者のコメントを報じている。連邦政府のGreg Hunt環境大臣は「労働党の提案は無謀であり環境審査が遅延する」と批判した。NT準州(与党・地方自由党)のDavid Tollner財務大臣は「One-Stop-Shopに逆行し、建設、農業、陸上ガス開発等の雇用が崩壊する」と述べた。また、NSW州(与党・保守連合)のMark Speakman環境大臣は「連邦と州の間の協力が弱まり、不要な二重行政や官僚的な形式主義(red tape)が増えるだけだ」と批判した。また独立機関の設立の構想については「既にNSW州には類似の機関がある」と指摘した。この他、TAS州(与党・自由党)、豪州鉱業協会の関係者も労働党の提案を批判したと報じている。他方、QLD州(与党・労働党)のSteven Miles環境大臣は労働党の提案を肯定したこと、また、環境団体も同提案を歓迎したと報じている。

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