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ニュース・フラッシュ

2016年7月22日 リマ 迫田昌敏

ペルー:政府、La Oroya製錬所をめぐるRenco Group社との仲裁裁定に勝訴

2016年7月19日付け地元紙各紙によると、2010年末、Renco Group社(本社米国ニューヨーク)によって世界銀行投資紛争仲裁国際センター(ICSID、International Center for the Settlement of Investment Disputes)に提訴されていた、清算手続き中のLa Oroya鉛亜鉛製錬所周辺での汚染除去問題におけるペルー・米国間FTA協定違反を理由に、ペルー政府に対し800百万US$の補償を求めていた仲裁裁判は、司法管轄権の欠如を理由に棄却され、結果的に政府側に有利な判断が下った。同製錬所の元所有者であるDoe Run Perú社の親会社であるRenco Group社側は法的手続きを続行する旨言明した。

1997年、Renco Group社が同製錬所を国営Centromin社から買収した際、同社は、PAMA(Programa de Adecuación y Manejo Ambiental、環境適正化計画)も引き継いだ。このプログラムに従い、同社と政府は、汚染土壌の除去など10年間にわたる汚染削減計画に合意したが、2009年に資金繰り悪化により操業が停滞した上、PAMAの約束を期限内に履行できない状況に陥った。その後2010年末から2011年にかけてRenco社側は、「他社より厳しい環境基準等の差別的待遇」を理由にペルー政府をICSIDへ告訴した。一方、2012年半ばから債権者による清算・売却手続きが開始され、同社は現在La Oroya精錬所や併せて経営していたCobriza鉱山(Huancavelica州)の操業から手を引いている。

今回のICSIDの判断は、ペルー政府にとって事実上の勝訴であるとの評価がある一方、Rencoグループは却下の原因となった不備を修正し、直ちに再度告訴を行う方針である旨明らかにしている。

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