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ニュース・フラッシュ

2016年8月30日 シドニー 山下宜範

豪:連邦裁の判決、消滅した先住権に補償責任、鉱山企業にも影響の可能性

2016年8月24日、ダーウィンの連邦裁判所は、NT準州Timber Creekの公有地払い下げや公共工事に係る23㎢の土地使用に関し、NT準州政府はNgaliwurru及びNungaliの2つの先住民族に対して約330万A$の補償を支払う責任があるとする判決を出した。内訳は経済的損失が51万A$、利子が148万A$、慰謝料が130万A$としている。

連邦議会で先住権法が制定されて20年以上が経過するが、地元紙によれば、専門家は今回の判決を過去のMabo判決やWik判決と同様に重大なものと捉えている。先住権が消滅した土地に対する補償は今回の判例を基に始まることとなり、今後、数十億$にのぼる補償の請求が発生する可能性があるが、州政府は現存の先住権に係る予算は確保しているものの、消滅した先住権に係る予算は確保していない。また鉱山企業も今後同様に補償の支払いに直面する可能性があると地元紙は報じている。

なお、豪州では230万㎢の土地に先住権が設定されているが、WA州はその約半分を抱えている。同州のColin Barnett首相は今回の判決についてよく調べると述べつつ、同州の1978年鉱業法(Mining Act 1978)等によれば、先住権に係る補償は事業認可の受益者(鉱山企業等)に支払い義務があると述べている。WA州政府自身は将来の補償の支払いの発生を防ぐために積極的に先住民グループとの間で合意文書を締結している。2015年6月にはNoongar族との間でパースを含む州南西部の20万㎢の土地に関して13億A$の補償を支払うことに合意している。また、QLD州においても、先住民との合意は、例えば鉱山に関しては当該鉱山企業に任されている。Adani社が計画しているGalilee Basinにおける炭鉱の新規開発について、同社は先住民族との間で合意をしている。

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