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2018年3月7日 メキシコ 森元英樹

グアテマラ:Escobal鉱山の操業停止の状況(論説)

 2018年3月1日付け地元紙は、Escobal鉱山の操業停止に係る現状等についての論説を掲載している。主な概要は以下のとおり。
 グアテマラは、小さい国であるが宝の山が存在する国である。その宝は、経済成長、税収、ロイヤルティをもたらし、何百万人の困難を克服することに活用できる。加Tahoe Resources社が保有する世界最大級のEscobal銀鉱山が2014年に開山した時、同鉱山はグアテマラに20年の富をもたらすと考えられたが、現在、同鉱山は、抗議活動と法的手続の問題に直面し、2017年7月からグアテマラ最高裁判所は同鉱山の操業停止を命じ、現在、憲法裁判所の審議待ちの状態である。係争は終わっていないが、新たに権限を与えられた市民団体・グループによる経済、政治への参画が与える影響、構造の変化を見ることができる。
 調査会社の統計では、2016年、中南米の鉱山地域では246の紛争が発生した。これは2010年の2倍以上である。2017年、エルサルバドル議会は金属鉱業の全面禁止を決議、コスタリカはオープン・ピットの金鉱業を禁止、コロンビア、チリの最高裁判所は環境問題に対する鉱山活動の勧告を発出し、さらに、ブラジルのアマゾン先住民組織は、「我が国の経済活動をコントロールしたい」と語った。
 グアテマラの戦いもその戦いの1つと言える。グアテマラは統治能力が低く、法の支配が及ばない国であり、紛争が発生すると悪化する。Tahoe Resources社は、エネルギー鉱山省との協議を続け、先住民、コミュニティが及ぼす影響はないと確信していた。しかし、地元の先住民集団であるXinkaのリーダーたちは、草の根レベルの活動家の支援を得て、最高裁判所に鉱業権停止を求めた。同社は、法律に固執していた。残念なことに、グアテマラでは法の支配はそれほど強くないとのコメントを述べた。この問題は、グアテマラが、先住民との事前協議を義務付けた国際条約(ILO 169)に係る法令を整備していないことが背景にあり、鉱業、事業関係者と先住民、コミュニティの間に遺恨になっている。
 グアテマラの元エネルギー・鉱業大臣が汚職で逮捕され、大統領にも汚職の目が向けられており、国際調査機関の最新の汚職認識指数では、グアテマラは180か国中143位に位置付けられる。また、世界の鉱業・エネルギー産業の腐敗防止を促進する採掘産業透明性イニシアチブ(EITI)については、グアテマラがEITI準拠から1年も経たないうちに、監督官庁の高官が起訴される事件が起こっている。
 専門家は、同国ではEITIの活動は継続しているが、市民・社会から参加者の立場は、その他の委員と平等ではなく、その影響力は脆弱である。Tahoe Resources社のような国際企業は、適切なガバナンスを確保し、コミュニティとの良い関係を得るために法的行為以上のことをしなければならないことを学んでいる。企業は地域社会の繁栄を広げる必要がある。しかし、問題は、1つの鉱山プロジェクトだけではなく発電事業、産業活動などにも関係する可能性があることを理解しておく必要がある。と述べた。
 その他の専門家は、グアテマラの統計では、鉱業部門が2010年国内総生産に占める割合は小さいが、鉱山町への影響は巨大なものである、鉱山では、鉱山労働者の解雇が発生し、最高裁判所の決定が遅れると更なる解雇が発生する可能性があると警笛を鳴らしている。

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