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2018年6月5日 メキシコ 森元英樹

メキシコ:左派政党AMLO大統領候補、経営者と次々に争う

 2018年5月30日付け地元紙によると、Grupo México社のCEOであり、実業家でもあるGermán Larrea氏は、ある大統領候補(注:国会再生運動党(Morena)Andrés Manuel Lopez Obrador(AMLO)大統領候補と解される)の経済モデルは、国に被害を与えると警鐘を鳴らし、国民は緊張感を持つべきであると述べた。Germán Larrea氏は、同社株主及びメキシコ、ペルーに鉱山を保有し、鉄道、インフラ部門等の様々な分野を手掛ける同社従業員に2018年7月1日の大統領選挙において知的な投票を行うことを促すコメントを発出した。同氏の指摘内容は、エネルギー、教育改革を排除する提案は、メキシコの発展を遅らせるものである。ベネズエラ、キューバのような大衆迎合主義者モデルは、ペソ下落を引き起こし、インフレに直結し、投資の遅れ、引き上げを招き、雇用が損出され、メキシコの経済を下落させると強調している。
 これに対し、AMLO候補は、メキシコの富裕層が政府に大きな影響を与え、実業家は腐敗した政治環境からの恩恵を享受している。このため、Germán Larrea氏は、環境の変化を望んでいないと遊説先のVeracruz州Poza Rica町において反論した。さらに、2014年にSonora州で発生したBuenavista鉱山の硫酸銅浸出液流出事故(参考:http://mric.jogmec.go.jp/reports/current/20170126/232/)及び2006年に65人の鉱山労働者が死亡したPasta de Conchos石炭鉱山の災害はGrupo México社の怠慢によるものであると指摘し、ビジネスリーダーが他の党と共謀して同候補を陥れていると非難した。
 これらのことについて、同紙は、Germán Larrea氏の書面は、AMLO政権の成長(支持率の拡大)に対するメキシコ鉱業部門の不安を反映したものである。ある調査では、AMLO候補は、2位のライバル候補の支持率30%に対して46%を獲得している。政府の腐敗撲滅を主張し大統領選を戦っているAMLO候補のキャンペーンにより支持率は拡大している。今回は、Germán Larrea氏が対象となったが、以前は、新メキシコシティ国際空港建設(140億US$)に投資している世界的大富豪カルロス・スリム(Fresnillo社を保有)と紛争になった。なお、エネルギー改革の入札制度のAMLO候補の発言はあるが、鉱業に関連するコメントは少ない。しかし、AMLO候補は、労働者の賃金引き上げ、厳しい環境規制の必要性を示唆している。また、労組員分配金の横領の罪によりカナダに亡命中の元労働組合長ナポレオン・ゴメス氏をMorenaの議員候補としていることはメキシコの鉱業会の混乱を招く可能性がある。

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