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2018年6月28日 メキシコ 佐藤すみれ

メキシコ:Chihuahua州、麻薬組織による抗争件数は直近2年間で35件

 2018年6月20日付け地元紙は、Chihuahua州の鉱業地帯において発生した犯罪組織による抗争に関し報じている(2018年6月26日 カレント・トピックス18-14:メキシコChihuahua州鉱業投資環境 参照)。州警察は、2016~2018年(現在)の麻薬組織による抗争件数は35件、被害者数は死者90人に上ったと発表している。州内の被害地域としてMadera市があり、同市には、加Pan American Silver社が保有するDolores鉱山をはじめ、多くの鉱山が位置する。同期間中に5件の抗争事件が報告され、死者は12人に上る。2018年5月にはDolores鉱山労働者が麻薬組織から脅迫を受けた事件が発生している。同事件については、その後、警察による監視が強化され、同鉱山は操業を再開したが、鉱山労働者の移動は未だ混沌としている。また、Fresnillo社が開発を進めているOrisyvoプロジェクトが位置するUruachi市では、同期間中に3件の抗争事件が報告され、死者は12人、負傷者は1人となっている。加Sierra Metals社のBolívar鉱山が位置するUrique市では負傷者1名、加Endeavour Silver社が開発中のParralプロジェクトが位置するHidalgo del Parral市では2件の事件により1名が死亡している。これらに加え、複数の探鉱プロジェクトが存在するBuenaventura市、Camargo市、Namiquipa市、Juárez市でも抗争事件が報告されている。
 麻薬組織は、メキシコ北部のChihuahua州、Sonora州、Sinaloa州、南部のGuerrero州で勢力争いを行っている。鉱山労働者を襲撃することは珍しく、鉱山内に武装グループが侵入する事件は少ないが、鉱山敷地外において脅迫、暴行の被害を受ける可能性がある。2015年には麻薬組織による犯罪が多発し、Guerrero州において複数の鉱山労働者が誘拐される事件が発生した。鉱山への直接的な被害を受けることは少ないものの、これらの事件により、鉱山企業のセキュリティ対策費は年々増加しているという。
 2018年7月1日に次期大統領選挙が迫る中、約50%の世論の支持を得ているMORENA党のLopez Obrador(通称:AMLO)候補は、墨大手Grupo México社と政策に対する意見の食い違いによる論争に転じたが、(2018年6月5日 ニュース・フラッシュ メキシコ:左派政党AMLO大統領候補、経営者と次々に争う 参照)報道では鉱業州における安全対策を講じることが鉱業部門の発展の近道であると提唱している。なお、2018年6月Chihuahua州を遊説したAMLO候補は、鉱山企業に対し、環境、社会貢献及び納税義務の履行順守を強く訴えた。

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