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ニュース・フラッシュ

鉱種:
リン
2018年10月29日 メキシコ 森元英樹

メキシコ:米Odyssey社、Don Diego海中鉱業プロジェクトの法的措置を検討

 2018年10月19日付け地元紙によると、米Odyssey Marine Exploration社は、環境天然資源省(SEMARNAT)が、同社が保有するDon Diego海中鉱業プロジェクトの認可申請を拒否した件(2018年4月24日付け ニュース・フラッシュ:環境天然資源省、Don Diegoプロジェクトの環境許可取消し参照)について法的措置を進めていることを明らかにした。
 Don Diegoプロジェクトは、南Baja California州の太平洋沿岸から40km離れた海底からリンを含有する砂を掘り出す計画である。これに対しSEMARNATは、野生生物への影響の懸念が払拭されていないことから、これまで2回、環境に係る認可申請を拒否したことを明らかにした。当該プロジェクト地域は、絶滅の危機にある種、動物、そして貴重な生命体の生息地にあり、相乗的、累積的な環境影響をもたらす可能性がある。特に、クジラ、イルカ、ウミウシ、鳥類、カメ、さらには無数の無脊椎動物や軟体動物が生息する。
 Odyssey Exploraciones Oceánicas社は弁護士を通じ、新たな法的措置を提起するとし、SEMARNATは、裁判所が提示する内容に係る新しい環境情報の提供を行っていないと批判した。同社は環境許可が高等裁判所の命令の下、認められると信じているが、SEMARNATを含め現政権は、11月30日に終了するため、その許認可手続が遅れることは遺憾であるとした。また、開発プロセスでは化学物質を添加することなく砂を海底に戻すが、同海域は水深が深いので、浅海の影響と比較するのは問題であると述べている。
 Don DiegoプロジェクトのHPによると、プロジェクトには、メキシコなどの沿岸水域で長年使用されてきたTSHD浚渫装置が使用される予定である。業界関係者は、Odyssey社は、依然としてプロジェクトの認可付与に楽観的だが、12月1日に就任予定のAMLO次期大統領は、環境保護について厳しい姿勢をとるので、同プロジェクトは厳しい評価を受けるとみている。AMLO次期大統領は、鉱業プロジェクトに対する市民協議の必要性を強調しており、Invecture Group社が南Baja California州に保有するLos Cardone金プロジェクトでは、住民協議が必要との見解を明確に示した。なお、AMLO次期大統領がDon Diegoプロジェクトを含め海域開発に住民協議を適用するかは不明である。

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