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2018年12月6日 メキシコ 佐藤すみれ

メキシコ:鉱業法改正は鉱業部門の体制を変革する

 2018年11月末に、国家再生運動(MORENA)党上院議員により鉱業法改正法案が発表されたことに関し(2018年11月27日付 ニュース・フラッシュ:鉱業法改正イニシアチブ、鉱山企業に影響参照)、地元紙はリスクコンサルタントControl Risks社の専門家に対するインタビューを行った。概要は以下の通り。
 Control Risks社専門家によると、カナダなどの他鉱業国にもこのイニシアチブと同様の仕組みが存在し、ラテンアメリカでもチリやペルーはメキシコよりも様々な面でより厳しい規制が行われていることから、今回の改正案はさほど過激なものとは言えない。しかしながら、同法案には複数の欠点があると指摘する。第一に、政府機関であるメキシコ鉱業センター(SGM)が社会的影響の調査権限を持つことに関し、調査内容に対する政治的介入の可能性が疑われるため、独立機関が調査を担う方が望ましいと述べた。また、経済省が鉱業コンセッション、アシグネーションの取消しの権限を有することに対しては、現在多くの鉱業関係者がBaja California Sur州のように環境規制が厳しい地域の開発に対し懸念している中、経済省の権限拡大が投資に悪影響を及ぼすことが予想される。しかし実際には、すでに石油業界において政府が正当性を調査しても、現在まで取り消しを一件も発表していないことから、鉱業界も同様となるであろうと見解を述べている。たとえ取り消し措置が講じられるとしても、可能性があるのはGuerrero州、Oaxaca州、Puebla州といった慢性貧困と低開発地域に集中すると考えられ、住民と良好な関係を構築している鉱業州には影響は及ばないであろうと分析している。
 一方で、墨Grupo México社をはじめとする大手鉱山会社の株価の大幅下落に関しては、今回の改正案に対する懸念から引き起こされたというよりは、López Obrador(通称AMLO)大統領との関係が原因であった。Grupo México社やPeñoles社代表らは選挙キャンペーン中にAMLOを批判し、従業員に対しては彼に対する投票を自粛するよう指示していた。AMLOが大統領に就任したことは、この法案により大手鉱山会社トップと政治家による癒着が解消され、鉱業界と政府との間で新たな関係が構築されることを示していると専門家は分析している。

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