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ニュース・フラッシュ

鉱種:
その他 亜鉛 鉄鉱石
2019年1月10日 リマ 栗原健一

ペルー:2019年鉱業の見通し

 2018年12月31日付け地元紙によると、エネルギー鉱山省(MEM)によれば、2018年の鉱業投資額は、2017年を25%上回る5,000mUS$となる見通しとなっている。さらにペルー鉱業石油エネルギー協会(SNMPE)のDe la Florジェネラルマネージャーによると、2019年の鉱業投資額は2018年の20%増となる6,000mUS$となる可能性がある。この見通しを支えるのは、2018年に開始されたQuellaveco銅プロジェクト(5,300mUS$)、Mina Justa銅プロジェクト(1,600mUS$)、Toromocho銅鉱山拡張プロジェクト(1,355mUS$)で、さらにより小規模なプロジェクト5~6件に対する開発投資が計画されている。
 一方2018年11月時点のMEMのデータによれば、2019年にはCorani銀プロジェクト(585mUS$)、Lagunas Norte金鉱山改善プロジェクト(640mUS$)、Coroccohuayco統合プロジェクト(590mUS$)、Pachapaqui亜鉛鉱山拡張プロジェクト(117mUS$)、Minera Poderosa社拡張プロジェクト(110mUS$)の中・小規模プロジェクト5件のほか、大規模プロジェクトとしては唯一Tia Maria銅プロジェクト(1,400mUS$)の建設が計画されている。
 しかしながら、Tia Maria銅プロジェクトに関しては政府による建設許可の付与が遅れている一方で、EIAの有効期限が迫っている。EIA期限までに建設許可が下りない場合、ペルーでは2021年まで新規の大規模プロジェクトの建設は行われず、小規模プロジェクトや既存鉱山の拡張プロジェクトのみ建設される見込みとなっている。
 さらにMEMによると、Pampa de Pongo鉄鉱石プロジェクト(2,200mUS$)の建設開始が2019年から2020年に延期されたことから、2018年に回復を見せた鉱業投資に、再びブレーキがかかりはじめている。
 ペルー鉱業技師協会(IIMP)のRivera会長は、鉱業にとって2019年最大のリスクは世界経済の先行きであるとし、米国が利下げを行う可能性が高まっており、その場合には鉱物等のコモディティに対する高リスクの投資から、債券投資へ資金移動が起こる可能性があるとしたほか、世界の銅需要の45%を占める中国の景気減速についても言及した。このような背景を理由に、Altruras Minerals社のCardozo社長は、Pampa de Pongo鉄鉱石プロジェクトのような高コストかつ技術的に難度の高いプロジェクトに対する投資に慎重にならざるを得ない状況が生まれていると説明した。
 さらにPlusmining社のGuajardo部長は、2019年における鉱業投資の減速の見通しは世界的なものであるとし、2018年にはQuellaveco銅プロジェクトやチリのQuebrada Blancaプロジェクト等に関する開発決定が行われたものの、これらは長年待機状態にあった案件が2018年に開発決定にこぎつけた特別なケースであるとし、新たな鉱業投資ブームの到来を示すものではなかったと指摘した。さらに、鉱業投資の回復には金属価格の改善と米中貿易摩擦による不安の解消が必要との考えを示した。

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