閉じる

ニュース・フラッシュ

鉱種:
その他
2019年4月2日 リマ 栗原健一

ペルー:Las Bambas銅鉱山争議、住民らによる抵抗激化

 2019年3月28日付け地元各紙によると、3月27日午後、Trujilo運輸通信大臣、Tomas保健大臣、Bustamante開発・社会包摂大臣によって構成される政府のハイレベル委員会が、Las Bambas銅鉱山の道路封鎖を行うNueva Fuerabamba村の住民との協議実施を目的として、Cusco州のYavi Yaviエリアに向かったものの、大臣らを乗せたヘリコプターが住民から無数の投石を受けたことから撤収を余儀なくされ、協議は実現しなかった。このうちBustamante大臣は、翌日(28日)以降も粘り強く協議プロセスに取り組む方針を示した。
 同じく同日にApurimac州Cotambambas郡Challhuahuacho区を訪問したLantaron州知事は、Fuerabamba村を含むCotabambas郡の自治体首長らに対し、中央政府との対話再開と道路封鎖解除を5時間にわたって説得したものの、合意には至らなかった。同知事は逮捕された顧問弁護士を批判したことで一部住民らが反発を強めたことを受けて、同地から撤収した。
 なお、Fuerabamba村のVargas副村長は、政府との対話再開には、逮捕されているRojas村長とChavez法的顧問らの釈放が前提条件であるとしたほか、検察の主張する恐喝の容疑は濡れ衣であり公開された通信傍受の会話は全てでっち上げであるとし、どのような犠牲を払っても構わないと主張した。
 一方、運輸通信省のParedes対話・社会対策局長は、同省は協議だけでなく、道路の建設や拡張による土地へのインパクトの対価を支払う意図がある旨コメントしたほか、対価の支払いはFuerabamba村に限らず、同様の影響を受けた全てのコミュニティを対象とする方針を明らかにした。
 なお28日午後の報道によれば、Las Bambas銅鉱山近くで道路封鎖を行っていた住民が、警官から暴行を受けたことを訴えており、緊張状態が継続しているが、これまでのところけが人は発生していない。
 他方、検察庁のCortina犯罪組織検察調整官は、逮捕された弁護士2名(Chavez兄弟)はLas Bambas銅鉱山だけでなく、他の社会争議にも関与していたことを明らかにし、2名が逮捕されたのは道路封鎖自体が原因なのではなく、長期にわたる捜査の結果であると説明した。一方Del Solar首相も、Chavez兄弟に対する捜査は2017年にAyacucho州で開始されたものであり、Las Bambas銅鉱山だけの事案ではないと説明した。
 Las Bambas銅鉱山を巡る争議では、3月21日夜にNueva Fuerabamba村のRojas村長や法律顧問らが逮捕された後に状況が深刻化し、それまで鉱物輸送道の封鎖が行われていたCusco州Yavi Yaviエリアに加えて、Nueva Fuerabamba村やLas Bambas銅鉱山への2つのアクセスも住民たちによって封鎖される事態となっている。MMG社によれば、Las Bambas銅鉱山へのアクセス封鎖により、1,900名の従業員らが先週末から鉱山から出られず、食料も配達できない状況となっており、3月27日付報道によれば、51日間に及ぶ鉱物輸送道封鎖と争議状況の悪化を前に、MMG社は不可抗力宣言と1,900名の従業員の退避を行う方針を示している。さらに、Aprimac州Cotabambas郡Challhuahuacho区では3月27日から無期限ストライキの開始が決定された。
 他方Moran内務大臣は、Nueva Fuerabamba村長らを含む5名の逮捕は、数年前から検察による捜査が行われていたことを明らかにし、特に2018年末から数か月間にわたって行われた通信傍受(盗聴)により、法的アドバイザーの弁護士2名(Chavez兄弟)らが村長らに対する様々なアドバイスや指示によって住民らを扇動し、Minera Las Bambas社に対する恐喝や通行料の要求を行っていた犯罪組織の首謀者であることが明白となったと説明した。その上で、Nueva Fuerabamba村民たちはChavez兄弟によって利用されているとの見方を示した。
 エネルギー鉱山省によると、Las Bambas銅鉱山は、ペルー全国の銅生産の20.7%を占めているほか、ペルー鉱業石油エネルギー協会(SNMPE)のDe la Florジェネラルマネージャーは、本鉱山は世界における銅生産の2%を供給していることから、道路封鎖の長期化は、ペルーの銅生産だけでなく銅価格にまで影響を及ぼす可能性があると指摘した。

ページトップへ