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2019年5月8日 リマ 栗原健一

ペルー:Las Bambas銅鉱山、抗議デモ参加者の司法プロセスに係る協議を実施

 2019年4月25日から29日付け地元各紙によると、4月24日、Apurimac州Cotabambas郡Cahallhuahuacho区において、Las Bambas銅鉱山に対する抗議デモに参加した住民への起訴や司法プロセスの取消や、拘留が続くNueva Fuerabamba村法務顧問の釈放等に関する協議を目的とした「司法・人権委員会」が設立された。
 第1回目の委員会では、Zeballos法務・人権大臣、Molina内閣府地域ガバナンス副大臣、Jauregui司法府管理局長のほか、Apurimac州Contreras長官、Cotabambas郡Guillen郡知事、Challhuahuacho区、Haquira区、Cotabambas区、Progreso区の各区長、Apurimac州選出のArce国会議員等が出席する中、Nueva Fuerabamba村Rojas村長をはじめとする地域指導者のほか、2011年から2018年にかけて抗議運動に参加し起訴された住民38名が、政府や市民オンブズマンに対して要請や主張を発表した。村側の主張によれば、Las Bambas銅鉱山への反対運動に参加後起訴された住民の数は500名にのぼる一方、地元紙によるとNueva Fuerabamba村の住民に対する公務執行妨害の起訴件数は118件となっている。
 本委員会における協議の結果、以下の5つの点が合意された。
①法務・人権省はCotabambas郡の国選弁護チームを強化する
②同省の人権・正義アクセス総局長は、2週間以内に(住民に対する)告発の状況について総合的に評価し報告書を作成する
③同省は、1週間以内に当該地域で発生した社会争議により死亡した住民の寡婦や負傷者に対する回答を行う
④Jauregui司法府管理局長は、各案件の調書を精査し回答を行うため、Cotabambas郡に派遣される裁判官チームの人選を2週間内に行う
⑤Arce国会議員は、法務省からの技術的・法的支援及びApurimac州Lantaron州知事との調整のもと、恩赦法の法案作成を推進する
 さらに、Molina副大臣は、住民に対する告発が現在も有効となっている各案件について精査した後、報告書にとりまとめた上で検察庁に送付し、違法性が低い案件についてはプロセスの終了を勧告することで、本問題の縮小に取り組みたいとしつつ、全ての案件における一律的な起訴や司法プロセスの取消を行うことはできないとの考えを示した。
 また、上記の委員会での合意内容に対しては、様々なセクターから疑問の声が上がっており、このうちペルー鉱業石油エネルギー協会(SNMPE)のFumagalli会長は、最近、鉱山や石油採掘の現場における反対運動が激化しているとコメントし、「法律は全ての国民に同等に適用されるべきだ。(特定の事案を基に)法律違反者を例外的に優遇することは、国政における悪しき前例を認めることになる」として反対を表明した。
 またBruce国会議員は、恩赦による社会争議の解決は無政府状態を促進しかねないものであると意見した一方、Zeballos法務大臣は、恩赦法の設立は極めて複雑なテーマであるとし、まずは本提案を行ったArce国会議員による法案提出後、国会における法務委員会における審議を尽くした後に国会本会に送付されると説明した。さらに、法案による恩赦の受益者や、刑罰の種類、程度、期間等を精査すると共に、法務省による専門的見解が示されなければならないとコメントした。
 このような動きを受けてNueva Fuerabamba村のRojas村長は、法案が可決されない場合は再度道路封鎖を行うと表明、犯罪者扱いをされながら対話に応じることはできないとの考えを示した。

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