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ニュース・フラッシュ

鉱種:
2019年8月15日 リマ 栗原健一

ペルー:Tia Maria銅プロジェクト建設許認可、最大120日間停止へ

 2019年8月10~12日付け地元各紙によると、8月10日、エネルギー鉱山省の鉱業審議会は、Tia Maria銅プロジェクトをめぐる社会的な損害やさらなる抗議デモの拡大を理由として、本プロジェクト建設許可の一時停止を決定(14-2019MINEM/CM)した。さらに、この停止措置の期間については、Arequipa州政府その他団体から提出された鉱山建設許可に対する見直し請求の審査期間にあたる最大120日間とすることが決定された。
 Ismodesエネルギー鉱山大臣は、本決定は独立機関である鉱業審議会が行ったものであるとしつつ、建設には社会的な合意形成が必要であるとの当初の方針を再確認するものであるとの考えを示した。
 一方、Arequipa郡のCandia郡知事は本決定を受けて、抗議デモを実施する諸団体に対してデモの中止を呼びかけた。しかしながら、デモの中心地であるIslay郡Cocachacra区のCornejo区長は、今回の措置は建設許可の一時的な停止に過ぎないとして不満を表明、あくまでも建設許可取り消しを要求する姿勢を表明した。
 他方、鉱業石油エネルギー協会(SNMPE)のDe la Florゼネラルマネージャーは、本決定はペルーの投資にダメージを及ぼすものだとして遺憾を表明し、全ての要件を履行した鉱業権者に対し付与した許認可を停止することは、投資家に最悪なメッセージを送ることだとコメントした。
 なお、本審議会による建設許可停止の決定が公表された直後、8月24日にVizcarra大統領がArequipa州を訪問した際、同州の知事らと本プロジェクトに関する協議を行った際の会話の録音記録が地元メディアに流出し、物議を醸している。この中で大統領は、プロジェクト反対派の州知事らに対し建設許可の停止をほのめかしているとも解釈される発言を行っており、その後に今回の停止決定が発表されたことに鑑みて、国会はエネルギー鉱山大臣や経済財務大臣に対し説明を求めると共に、責任を追及する考えを示している。
 この件に関して市民オンブズマンは、行政上の最終審として機能する鉱業審議会は、政治的な影響を受けることがあってはならない機関でありながら、その独立性が必ずしも担保されていないと指摘、本審議会による見直し請求の判決の行方やその信頼性に疑問を投げかけた。

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